夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイド、自然観察指導員”むうさん”による、自然体感レビューブログです

【涼風】等々力渓谷~ゴルフ橋からの散策レビュー(中篇)~おとなの自然観察~

こんにちは むうさんです^^

おとなの自然観察(等々力渓谷 前篇 )からの続きとなります。

www.muu0san.com

ゴルフ橋から最初の橋まで

ゴルフ橋から等々力渓谷の散策をスタートしました。最初の橋は、下の地図で現在地から伸びる茶色の川に沿った渓谷の道が、谷沢川を渡る部分です。

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ゴルフ橋から最初の橋

この場所には、下のような行先表示板がありました。ゴルフ橋から180m歩いたようです。

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行先表示板

自然観察は、先ほどの葉の鋸歯のようにミクロに観察するとともに、全体を観察する目も大切です。ですが、なかなか見ようと努力するのも大変です。そこへ楽しいことが一緒にあると、見るということもできますよね。

そのようなときに、私がお勧めするのは、写真撮影をすることです。

撮影といっても、ミラーレスカメラのような立派なものではなくて、スマホで十分です。スマホの方が画面を見ながら撮影するので、かえって自然観察にはもってこいです。写真撮影を楽しみながらしていると、よく周りや全体を見ますし、思いがけない発見があるものです。

この橋では、水面に映る枝が太陽光って輝いていたり、渓谷を先まで見通すこともでき、いろいろな写真を撮りたくなります。

谷沢川の川面

そんなときに、谷沢川の川面が綺麗なので見ていると発見がありました。

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川面に映る樹冠

なにげなく、川面に映る枝を見ていると、木々がお互いに枝を伸ばす領域を譲り合っている様子が伺えます。枯れ葉が浮いているので、川面だとわかりますね。

上を真下から見上げていなかったので、気づきませんでした。どうして譲り合っているのか、不思議です。

樹木は生きるために光合成をしないといけませんが、そのためには太陽光を必要としていて、光の奪い合いのはずなのに、ジグソーパズルのように僅かな隙間をあけて譲り合っています。

これは、木と木の樹冠(じゅかん:樹木の上の方で葉っぱが茂っているところ)同士がぶつかることで、葉がこすれ、傷ついてしまうのを避けるためなのと、葉っぱや枝が重なることで太陽の光が当たらない箇所ができるのを防ぐ工夫のようです。

このように、太陽光を、木々の一つひとつではなくて、森として効率良く得るような仕組みは自然の知恵でしょうか。これも自然観察の一つです。等々力渓谷では、ぜひ見上げて、樹冠を観てください。

このような発見があったら、ぜひメモをとっておいてください。次から次へといろいろなことがあるので、メモらないともったいないです。また、後で振り返ることができます。

また、川面に揺らぐ葉を見ていると、ついさっきまで聞こえなかったせせらぎの音が耳に入るようになり、時間がゆっくりと流れ出し、心が休まったりもします。これらは、人が自然からいただく癒やしですね。心地よいです。

このときに歩いていて気がつくのは、往復して、行きの方向の景色と、逆向きに歩いた景色の両方を楽しんだ方がいいということです。好きな場所が、さらに増えること間違いなしです。

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山手通り(6号線)下のトンネルを抜けると(行きの景色)

行きはこれからと思いながら進んでいて、振り返ると綺麗な樹冠のトンネルがありました。

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帰り道の樹冠のトンネルの景色

ぜひ、記録すること、「①写真を撮る、②メモをとる」
を意識して、歩いてみてください。

広場(等々力渓谷3号横穴ちかく)

環状八号線の玉沢橋の下を通り過ぎると、川を渡って左岸を上がる道があります。ここを登っていくと、ちいさな土の広場があり、さらに奥には”等々力渓谷3号横穴”があります。

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広場での地図

この広場で地図を見ると、半分を過ぎたようです。ここまででかりに時間がかかっても、トイレはありますので、安心です。なお、この後、日本庭園にもトイレがあり、そちらの方が綺麗でした。

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広場のトイレ

3号横穴

ここで、少し寄り道をして、横穴を見に行ってもいいと思います。

広場にある説明を読むと、
・古墳時代から、奈良時代にかけて構築された横穴墓
・3号横穴が、典型的な横穴墓で、お墓ですので埋葬された人骨と副埋葬品が出土
・金銅製耳環、刀子など副埋葬品が豊富なことから、等々力周辺を治めていた有力者の墓だと推定
だそうです。

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3号横穴の説明

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3号横穴

のぞき穴のようなものもありました。せっかくですので、足を運んでみてください。

広場の辺りを観察してみると、ヒイラギモチの実がたわわになっていました。ヒイラギモチは日本自生ではなく庭木としてしかないので、整備の中で植えられたものだと思われます。このような自生でないものも、今現在は都市に住む私たちにとっては自然の一部だと、私は考えています。

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ヒイラギモチ

また広場には、ケヤキがどんとそびえたっていますから、見上げてみてください。電車の車両1両分くらいの高さ(20メートル)はゆうにありそうです。後でもご紹介しますが、元々の植生ではシラカシとケヤキの林だったようです。ケヤキは寿命の長い木ですから、昭和の戦後には立派になっていたケヤキでしょう。その時からの樹木たちもいます。

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ケヤキの説明プレート

このように、自然観察を、その場所の植生を知って観察してみると、また違った見方ができますし、歴史を感じることもできます。

公園橋

広場を出て川を渡って右岸へ行く橋が、公園橋です。公園橋の先に、湧水を解説している掲示板があります。

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渓谷の湧水の説明


それによると、等々力渓谷には30箇所以上の湧水が発生していて、東京の名湧水57選になっているようです。渓谷の川の中へ入っている子どもや大人がいるように、東京23区にあるとは思えないほど澄んだ水です。

地面の中で石や砂利などでフィルターが掛かって、綺麗な水となって湧いているのですから、心もきれいになりそうな水です。
この後は、後篇に続きます。

この記事のように、樹木を見ていると不思議なことばかりです。
私は、樹木の生存戦略を知りたくて、本を探し回りました。そして見つけて何度も読んでいる、樹木の生存戦略の本をご紹介します。

イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか 樹木の個性と生き残り戦略
 渡辺一夫著』

樹木の生存戦略について、36種類もの樹木のことを丁寧に書いている書籍は、これしかありませんので、ご興味のある方は、チェックしてみてください。


【参考文献】
・イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか 渡辺一夫著 築地書館
 

等々力渓谷 Googleマップ