夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイドで茶道家、写真撮影大好きな”むうさん”による、自然体感レビューブログです

【茶道・茶の湯を知る】茶の湯の不思議 小堀宗実著~遠州流のお家元が書かれた一般向けの本~ブックレビュー

こんにちは むうさんです^^

秋分の日も過ぎ、昼間の時間が短くなり、秋の夜長に向かっています。初秋の風が心地よい季節でもあります。

二十四節季は、まさに「秋分」。七十二候の「雷乃収声」というように、雷様も身支度をして帰るころです。

秋分 お彼岸は彼岸花の季節

秋分 お彼岸は彼岸花の季節

お茶は、季節とともにあり、風炉から炉の季節へ変わっていきます。
10月はその狭間で中置きの季節です。

現代の私たちは、茶道に触れることがないので、茶道、茶の湯というと難しいもの、作法が厳しいもの、というイメージになってしまいます。私も茶道を始める前は、そうでした。

ただ、作法がしっかりとしているのには、きちんと理由があります。美味しいものを、できるだけおいしくいただく。お客様へのおもてなしの心を形で表現する。

茶道という500年以上の続く文化について、知ることは、日本に生きているものとして良いことだと考えています。

茶の湯の不思議 小堀宗実

茶の湯の不思議 小堀宗実

今回は、敷居の高いと思われている茶道・茶の湯について、遠州流のお家元が自ら書かれたお茶への素朴な疑問と、どなたでも楽しめる内容の茶の湯の不思議 小堀宗実著をご紹介します。

是非、お手に取っていただき、お茶について、伝統ある心の文化に触れていただければと思います。

茶の湯の不思議

お茶碗を回すのはなぜ?

最初は、お茶碗を回すのはなぜ?という話からです。

お茶というとお茶碗を回してお茶をいただくイメージがあるかもしれませんが、実は次のような理由からなのです。

お茶をいただく際は、お茶碗を回す

お茶をいただく際は、お茶碗を回す

お茶碗の中で一番美しい場所を正面にして、お茶は出すものなので、お客様が、”「茶碗の大切な正面に口をつけるのを避ける」という、ものと相手への謙譲の意味が困られているのです。” ※” ”は抜粋部分。

正面でないところからお茶をいただき、飲み終わったら、元に戻して亭主へ茶碗を返す。そんなお互いを敬う心を表現しているのです。

お菓子を飲む前に食べきるのはなぜ?

「お茶の席に行ってお茶を飲んだ時に、お菓子とお茶を交互に口に入れるのかと思っていたら、そうではなくて、お菓子を食べてから、お茶をいただくんですね。」と知人の方に言われました。

お菓子をいただいてから、お茶を飲むのが作法

お菓子をいただいてから、お茶を飲むのが作法

そして、「これは、どうしてなんですか?」と聞かれたのです。

本書では、”お菓子と抹茶を交互にいただく件ですが、これはいけません。抹茶が冷めると風味を失うので、何口かに分けて飲み、飲みきるまで茶碗を置かないのがマナーです。”と書かれています。

そうです。当時お茶は非常に貴重なものでしたし、お茶が主役なんです。

茶の湯の不思議 どんな不思議? 目次は?

どんな不思議?

主に下のような不思議が書かれています。 

茶の湯の不思議 どんな不思議?

・お茶はなぜ一服なのか?

・中国で消え、日本で残った抹茶!

・濃茶と薄茶はどう違う?

・小さな躙り口(にじりぐち)の秘密!

・「手水鉢」で手を清めるのはなぜ?

・茶席で扇子を使うのはなぜ?

・道具を清め、心を清める「点前」

他の不思議もいろいろと書かれていますが、上のようなことが私の知りたいことでした。

茶道を始めて、作法の後ろにある思想を知りたい方にも良い本です。
私は、先生が細かく教えてくれない部分もあるので、自分で勉強するために、この本を何度も読みました。

茶の湯の不思議 忘れないように、付箋を貼っています。

忘れないように、付箋を貼っています。

茶の湯の不思議 目次

茶の湯の不思議 目次

1.茶の湯の不思議 PART1
~様々な不思議とその答えが書かれている。

2.創意工夫の歴史
~千利休 古田織部 小堀遠州などのおもてなしの歴史

3.茶の湯の不思議 PART2
~茶室、露地、会席、お道具の不思議と答えが書かれている

4.もてなしの美学
~おもてなしと、掛物、花入、茶入、茶碗、茶杓などお道具との関係

5.茶席の心得 Q&A
~茶席での作法とその理由

6.季節の演出と道具を楽しむ
~季節に合わせたしつらえについて

7.茶の湯の心
~和敬清寂、綺麗さび

遠州流茶道十三世家元の小堀宗実宗匠が、一般の方、お茶を始めた方へ心を込めて書かれた本です。

著者の遠州流茶道十三世家元の小堀宗実宗匠

著者の遠州流茶道十三世家元の小堀宗実宗匠

ですから、この本『茶の湯の不思議 小堀宗実著』は、新書の中に、茶道・茶の湯のエッセンスが詰まった1冊となっています。是非チェックしてみてください。

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