こんにちは むうさんです^^
この冬の目標だった天狗岳へ登り、これで今年の雪山は終わりにしようかと考えていました。
ですが、やはり行きたくなり、硫黄岳へ登ってきました。
天狗岳の拠点、黒百合ヒュッテでご一緒した方から、夏沢峠からのルートなら硫黄岳も危ない箇所がないと教えてもらい、行きたくなったのです。
今回は、根石岳山荘に泊まっての、雪山の硫黄岳の紹介です。
2025年2月末の山行です。
硫黄岳はどんな山?
硫黄岳
八ヶ岳は、夏沢峠の北と南で、山域の雰囲気が大きく異なります。
北は樹林が多く、苔むした白駒池周辺など穏やかな山域です。一方、夏沢峠から南は八ヶ岳の主峰、赤岳など岩稜の山域となるのです。
硫黄岳は、夏沢峠から南へコースタイムで約1時間で登れる山で、岩稜の山域の入口の山です。
《標高》2760m
《ルート》
・初日:茅野駅→宿の送迎車→桜平ゲート→夏沢鉱泉→オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→箕冠山→根石岳山荘
・2日目:根石岳山荘→根石岳→東天狗岳→根石岳山荘→箕冠山→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→オーレン小屋→夏沢鉱泉→桜平ゲート→宿の送迎車→茅野駅
《コースタイム》 初日:4時間20分 2日目:5時間5分
《アクセス》JR中央線 茅野駅から宿の送迎
《見どころ》
・硫黄岳からの八ヶ岳の主峰赤岳の景色
・南アルプス、北アルプス、御嶽山、浅間連峰など360°の眺望
・天狗岳~蓼科山への尾根の連なり
そして、その山頂からは、赤岳、阿弥陀岳、横岳と岩々した山を間近に見ることができ、北アルプス、南アルプスなども見える360°の眺望の山でもあります。
今回は、天狗岳からは遠かった赤岳の雄姿を近くで見て、撮影するのが目的です。
硫黄岳へのアクセス
夏沢峠へのアクセスは、本沢温泉(JR小海線方面)からと、桜平(茅野駅方面)からとに分かれます。本沢温泉は冬に公共交通機関で行こうとすると、バス停が遠く、かなり歩かないとならず大変です。一方、桜平もバスの便がなく、車がないと厳しいのです。
ですが、根石岳山荘か夏沢鉱泉に泊まると、15人位が乗れるバンで送迎してくれます。
今回は、山の上で朝陽を見たかったので根石岳山荘に泊まり、送迎してもらいました。
JR茅野駅から桜平ゲートまで、1時間弱の乗車時間です。最初はチェーンなしで、途中でチェーンを装着してでしたが、チェーンをつけてからは雪もあり深い轍を走るので、上下に揺れる車中でした。
この送迎がなければ、車以外のアクセス手段がないので、本当にありがたいです。
登山コース
根石岳山荘に泊まれば、天狗岳へもコースタイムで40分で行けるので、初日は天狗岳にするのが一般的ですが、午後の西からの光が当たる赤岳を見たくて、初日から硫黄岳に登ることにしました。
もう一つの理由は、2日目は天気が良い予報ですが、前回の天狗岳のときに天気予報に裏切られたので、硫黄岳を初日に登っておきたかったのです。
そのため、桜平ゲート→夏沢鉱泉→オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→箕冠山→根石岳山荘と、初日は硫黄岳を目指しました。
2日目は、天狗岳に登った時から、根石岳から東天狗岳への稜線を歩きたいと思っていたので、朝に東天狗岳へ行ってから、硫黄岳を目指すことにします。
ですから、2日目は、根石岳山荘→根石岳→東天狗岳→根石岳山荘→箕冠山→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→オーレン小屋→夏沢鉱泉→桜平ゲートです。
コースを歩いて気づいたことは、下のとおりです。
桜平ゲートから夏沢鉱泉、さらにオーレン小屋、夏沢峠までは、チェーンスパイクで行ける、緩やかな登りでした。
トイレは、夏沢鉱泉、オーレン小屋の仮設トイレがありますが、靴を脱がなくても良いオーレンの方が便利です。仮設トイレと言いながら、座面カバーがあり冷た!とならないのも良いです。
夏沢峠からは、バラクラバをして、アイゼン、ヘルメット、ピッケルで行きました。
狭いトラバース、両側が切れ落ちているような危ない箇所はないので、初日したヘルメットも2日目はしなかったです。天狗岳とどちらが危ないかと聞かれたら天狗岳です。天狗岳も危ない箇所はほぼなかったですが。
茅野駅の送迎
北横岳や高見石、天狗岳に行く時は、バスに乗りますが、それは茅野駅の西口です。
根石岳山荘や夏沢鉱泉の送迎車は、茅野駅東口の送迎車の場所となります。
そこに、9時15分集合でした。
私はいつも通り、8:48茅野駅着の鈍行で着きました。あずさ1号は9:07着です。
帰りは14:30に桜平ゲートです。
早くしたい人は、空いていれば、早い時間の便へ変更できるようでした。
この日は人数も多く、2台のバンに分かれて、乗車でした。1台は荷物メインで、もう1台は登山者が乗りました。
行きも帰りも乗車時間は1時間弱でしたから、その時間で計画を立てておけば大丈夫そうでした。
硫黄岳 雪山登山<初日>
桜平ゲート〜夏沢峠
桜平ゲートに着くと、ザックからチェーンスパイクとカメラを出して、出発です。
ザック本体と荷物は、バンでそのまま夏沢鉱泉まで持って行ってもらえます。
30分弱で夏沢鉱泉に到着し、ブルーシートの上に置かれたザックを背負って出発です。
硫黄岳に登るのに、コースタイムと比べてどれだけ時間がかかるか分からなかったので、先を急ぎました。初めての硫黄岳なので、先を見通せないので大変です。
オーレン小屋までは、コースタイムが 50分に対して早めに到着したので、順調です。
夏沢鉱泉で我慢していたトイレに行きます。
天狗岳では、黒百合ヒュッテに登山に不要な荷物は預けて登れましたが、今回の硫黄岳は荷物を山小屋に預けることができないので、荷物の軽量化は頑張りました。それでも、10.5kg位あります。ソロの雪山なので、万が一用にツェルトと携帯カイロ、非常食も持って行っていますし、予備グローブもあり、なかなか軽くできません。
ただ、ピッケルとポールと比較してポールをやめたり、行動食の量を考えたりと、今までの少ない雪山経験から、なるたけ軽くするようにしました。
オーレン小屋からは、夏沢峠、箕冠山(根石岳山荘)、赤岩の頭と3つの方向に分かれますが、今回は夏沢峠へ向かいます。
夏沢峠〜硫黄岳1
夏沢峠は、平らの広い場所もあり、冬季は営業していませんが山小屋もあって風をしのげるので、休憩と準備にもってこいです。
ここで、チェーンスパイクからアイゼンに履き替え、バラクラバとヘルメットを被って、ピッケルを持ち、行動食の羊羹を食べてお湯を飲んだら出発です。
最初の4分の1は樹林帯で、その後から森林限界を越えて風がもろに来るようになります。この日の予報では風速15m/s以上だったので、夏沢峠にいる時から頭の上をビュービュー風の音がしていました。
樹林帯を抜ける前に、ハードシェルの上から化繊ダウン(モンベル フラットアイアンパーカ)を着て、強風による体感温度低下へ準備します。
硫黄岳へ(森林限界後)
樹林帯を抜けると、いきなり強風の洗礼を受けます。
登る方向は南ですが、南西からの風が強く、体感としては向い風です。
空を見ると、どんより雲がかかっています。ガスはないので視界は良いですが、モチベーションは上がりません。後ろの天狗岳を見ると、青い空が多少見えていて明るいので、天狗岳にすれば良かったか!と思いながら登りました。
途中、足元の雪がなくなり、岩が出てきます。
雪が地面に付かないということは、と思うと、さらに凄い風が吹いてきます。この風なら雪も飛んでいくわ!という感じです。
その先も風は強いまま、遥か彼方に山頂が見えますが、向い風に止まっては耐えて、10m進むと疲れから休んで、また歩いてという具合です。風をしのぐ場所がないので、休憩もできません。
この風はヤバいからここで引き返すか?後、どのくらいで山頂に着きそうか?と悩みながらの登りです。
体力をなくして行動不能になる人がいるのも頷けます。
強風で休憩する場所がないので、歩き続けるしかなく、どんどん体力を奪われていくのです。
引き返すべきだったと、後から思いました。山頂まで行けたのは、体力がたまたま持っただけで、体力が切れていたら遭難でした。
それでも、上から2つか3つ目のケルンが風を防ぐ方向にあり、そこでやっと休憩することができ、一息つけました。
ここから山頂まで、風が弱ければ10分かからないと思いますが、ここからも、進んでは止まるの繰り返しです。
硫黄岳を登るのは夏を含めて初めてなので、見えてる山頂っぽい所から本当の山頂まで遠いと辛いな〜などと考えながら、やっとこさ頂上に辿り着きました。
山頂に着くと、風は強いですが、登りがなくなり、正面に赤岳、横岳、阿弥陀岳が見えていて登って良かったと、この時は思いました。
登山道は、山頂まで雪山のトラバースなど、危ない箇所はなく、今冬に雪山登山を始めた私も危険を感じずに登れました。
赤岳を見て、しばらく落ち着いたら、下山開始です。
登山道は雪が強風で舞い上がっていて顔に粒が当たってきます。
途中で写真など撮らずに、さっさと下りて行きます。
下りは風はあっても、重力で下へ下へ足が進んでそこまで辛くはなく、樹林帯に入った所でホッとして、そこからはゆっくりと歩きましたが、30分ほどで夏沢峠まで下山しました。
夏沢峠~箕冠山〜根石岳山荘
夏沢峠で、アイゼンからチェーンスパイクに替えて、足元を軽くして、箕冠山へ向かいます。ここからは樹林帯なので、風もない中、歩けます。
夏沢峠から箕冠山は30分ほどのはずが、登りがずっと続き、すでに足が疲れていたので、ペースはゆっくり、コースタイム以上にかかりました。
箕冠山から根石岳山荘へ向かう途中で、樹林帯から出るといきなり超強風、道もトレースが分かりづらく、さらに途中から雪がなくなり石と土の道のため歩きづらい。残り100mで遭難か?と思った位でしたが、何とか根石岳山荘に到着し、1日目の山行が終了です。
おすすめの登山グッズ
雪山登山の本のおすすめ
雪山初心者で、雪山の技術的なことや雪山のコースがわからないので、YouTubeと本で、雪山について学びました。
YouTubeは偏った情報になっているのと、本当に正しいのかわからないです。ですから本で学ぶことも重要でした。
そこで私は、本で学んで、かつYouTubeで映像を見て本で学んだことを確認するようにしました。
最初の一冊なら、雪山の登山コースが丁寧に説明してあり、技術についてもわかりやすく記述されている『雪山登山 野村仁著』が、おすすめです。
より技術的に詳しく、高度なことを学ぶなら『ヤマケイ登山学校 雪山登山 天野和明著』がよいと思います。
▼雪山登山 野村仁著
▼ヤマケイ登山学校 雪山登山 天野和明著
雪山グローブ:ラックナーグラブとイスカ ウェザーテック オーバーグローブ
雪山を始めるにあたって、最も悩んだのがグローブです。
雪山に行く前からグローブ沼にどっぷり浸かってしまって、悩み、色々と買ってしまいましたが、行き着いたのが『ラックナーグラブ』と『イスカ ウェザーテック オーバーグローブ』の組合せです。
私が行くレベルの雪山なら、下の雪山に必要な機能を全て持っていて、雪山グローブはこれだ!という結論に至りました。
①風をシャットアウト:暴風の中でも歩けるように
②保温機能:凍傷にならない、手が寒くて動かなくならない
③手で作業ができる:アイゼン装着、カメラ操作など
④インナーグローブ単体で使える:オーバーグローブなしで使用可
⑤濡れたら交換できる:濡れたグローブは凍傷になるので使えない
上記以外も、『ラックナーグラブ』は、未脱脂で油分を多く含んでいるウールを使用していて濡れに強く、厚いので保温性も高いのです。
『イスカ ウェザーテック オーバーグローブ』は、防風性が高く、これをつけるだけで風がなくなり暖かくなります。
サイズ感ですが、ラックナーグラブがMなら、イスカ ウェザーテック オーバーグローブもMでちょうど良いサイズ感となります。
▼雪山グローブ レビュー記事
雪山のグローブに悩んでいるなら、この組合せで、マイナス18℃の風速15m/sまで全然問題なく(それ以上かもしれませんが経験なし)、使い勝手もよいおすすめの雪山グローブです。是非チェックしてみてください。
▼ラックナーグラブ
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SWANSサングラス~日帰りも夏山も雪山にも
SWANSのサングラスをずっと使っています。
SWANSを使い続ける理由は、コスパが良く、紫外線カットの寿命が長いからです。
SWANSで製造しているサングラスは、どのレンズカラーであっても紫外線吸収材料を練り込んで製造しているため、色の濃さに関係なく有害な紫外線を99.9%以上カットしています。また通常のご使用方法でしたら、時間によって劣化することはございませんので、安心してお使いいただけます。
※山本光学(SWANS)ホームページより抜粋:https://swans.co.jp/faq/detail/6/
特に、『SWANS OUTLAND BAATARA OL-110 CSK』は、下の特徴があり、登山用として使いやすいのです。
①紫外線カット率=99.9%
②軽い:23.5g
③明るめの可視透過率:40%と日陰でも見やすく、ずっと装着していられる
④偏光(PL)性能:雪山で雪面が見やす
⑤風よけ(サイドフード):雪山での強風に対応
▼『SWANS OUTLAND BAATARA OL-110』レビュー記事
おすすめのサングラスです。是非チェックしてみてください。
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