夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイドで茶道家、写真撮影大好きな”むうさん”による、自然体感レビューブログです

【硫黄岳①:雪山登山レビュー】天狗岳に続き硫黄岳へ~八ヶ岳の主峰の赤岳を見に登る

こんにちは むうさんです^^

この冬の目標だった天狗岳へ登り、これで今年の雪山は終わりにしようかと考えていました。

ですが、やはり行きたくなり、硫黄岳へ登ってきました。

硫黄岳

硫黄岳

天狗岳の拠点、黒百合ヒュッテでご一緒した方から、夏沢峠からのルートなら硫黄岳も危ない箇所がないと教えてもらい、行きたくなったのです。

今回は、根石岳山荘に泊まっての、雪山の硫黄岳の紹介です。

2025年2月末の山行です。

硫黄岳はどんな山?

硫黄岳

八ヶ岳は、夏沢峠の北と南で、山域の雰囲気が大きく異なります
北は樹林が多く、苔むした白駒池周辺など穏やかな山域です。一方、夏沢峠から南は八ヶ岳の主峰、赤岳など岩稜の山域となるのです。

硫黄岳は、夏沢峠から南へコースタイムで約1時間で登れる山で、岩稜の山域の入口の山です。

硫黄岳
《山域》 八ヶ岳連峰(長野県)

《標高》2760m

《ルート》
・初日:茅野駅→宿の送迎車→桜平ゲート→夏沢鉱泉→オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→箕冠山→根石岳山荘

・2日目:根石岳山荘→根石岳→東天狗岳→根石岳山荘→箕冠山→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→オーレン小屋→夏沢鉱泉→桜平ゲート→宿の送迎車→茅野駅

《コースタイム》 初日:4時間20分 2日目:5時間5分

《アクセス》JR中央線 茅野駅から宿の送迎

《見どころ》
・硫黄岳からの八ヶ岳の主峰赤岳の景色

・南アルプス、北アルプス、御嶽山、浅間連峰など360°の眺望

・天狗岳~蓼科山への尾根の連なり

そして、その山頂からは、赤岳、阿弥陀岳、横岳と岩々した山を間近に見ることができ、北アルプス、南アルプスなども見える360°の眺望の山でもあります。

霧ヶ峰越しの北アルプス 中央が槍ヶ岳

霧ヶ峰越しの北アルプス 中央が槍ヶ岳

今回は、天狗岳からは遠かった赤岳の雄姿を近くで見て、撮影するのが目的です。

硫黄岳へのアクセス

夏沢峠へのアクセスは、本沢温泉(JR小海線方面)からと、桜平(茅野駅方面)からとに分かれます。本沢温泉は冬に公共交通機関で行こうとすると、バス停が遠く、かなり歩かないとならず大変です。一方、桜平もバスの便がなく、車がないと厳しいのです。

ですが、根石岳山荘か夏沢鉱泉に泊まると、15人位が乗れるバンで送迎してくれます。

根石岳山荘に泊まると茅野駅へ送迎してくれる

根石岳山荘に泊まると茅野駅へ送迎してくれる

今回は、山の上で朝陽を見たかったので根石岳山荘に泊まり、送迎してもらいました。
JR茅野駅から桜平ゲートまで、1時間弱の乗車時間です。最初はチェーンなしで、途中でチェーンを装着してでしたが、チェーンをつけてからは雪もあり深い轍を走るので、上下に揺れる車中でした。
この送迎がなければ、車以外のアクセス手段がないので、本当にありがたいです。

登山コース

根石岳山荘に泊まれば、天狗岳へもコースタイムで40分で行けるので、初日は天狗岳にするのが一般的ですが、午後の西からの光が当たる赤岳を見たくて、初日から硫黄岳に登ることにしました。

硫黄岳周辺のコース

硫黄岳周辺のコース

もう一つの理由は、2日目は天気が良い予報ですが、前回の天狗岳のときに天気予報に裏切られたので、硫黄岳を初日に登っておきたかったのです。

そのため、桜平ゲート→夏沢鉱泉→オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→箕冠山→根石岳山荘と、初日は硫黄岳を目指しました。

2日目は、天狗岳に登った時から、根石岳から東天狗岳への稜線を歩きたいと思っていたので、朝に東天狗岳へ行ってから、硫黄岳を目指すことにします。

根石岳から東天狗岳への稜線

根石岳から東天狗岳への稜線 左のピークが東天狗岳

ですから、2日目は、根石岳山荘→根石岳→東天狗岳→根石岳山荘→箕冠山→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→オーレン小屋→夏沢鉱泉→桜平ゲートです。

コースを歩いて気づいたことは、下のとおりです。

桜平ゲートから夏沢鉱泉、さらにオーレン小屋、夏沢峠までは、チェーンスパイクで行ける、緩やかな登りでした。

左:チェーンスパイク、右:12本爪アイゼン

トイレは、夏沢鉱泉、オーレン小屋の仮設トイレがありますが、靴を脱がなくても良いオーレンの方が便利です。仮設トイレと言いながら、座面カバーがあり冷た!とならないのも良いです。

夏沢峠からは、バラクラバをして、アイゼン、ヘルメット、ピッケルで行きました。
狭いトラバース、両側が切れ落ちているような危ない箇所はないので、初日したヘルメットも2日目はしなかったです。天狗岳とどちらが危ないかと聞かれたら天狗岳です。天狗岳も危ない箇所はほぼなかったですが。

茅野駅の送迎

北横岳や高見石、天狗岳に行く時は、バスに乗りますが、それは茅野駅の西口です。

根石岳山荘や夏沢鉱泉の送迎車は、茅野駅東口の送迎車の場所となります。

茅野駅東口(トイレもあります)

茅野駅東口(トイレもあります)

茅野駅東口ロータリー

茅野駅東口ロータリー

そこに、9時15分集合でした。
私はいつも通り、8:48茅野駅着の鈍行で着きました。あずさ1号は9:07着です。

送迎車用の場所がロータリーにあります

帰りは14:30に桜平ゲートです。
早くしたい人は、空いていれば、早い時間の便へ変更できるようでした。

この日は人数も多く、2台のバンに分かれて、乗車でした。1台は荷物メインで、もう1台は登山者が乗りました。
行きも帰りも乗車時間は1時間弱でしたから、その時間で計画を立てておけば大丈夫そうでした。

硫黄岳 雪山登山<初日>

桜平ゲート〜夏沢峠 

桜平ゲートに着くと、ザックからチェーンスパイクとカメラを出して、出発です。

桜平ゲートでバンから降りる

ザック本体と荷物は、バンでそのまま夏沢鉱泉まで持って行ってもらえます
30分弱で夏沢鉱泉に到着し、ブルーシートの上に置かれたザックを背負って出発です。

空身で夏沢鉱泉着 荷物を運んでもらえるので楽でした

空身で夏沢鉱泉着 荷物を運んでもらえるので楽でした

硫黄岳に登るのに、コースタイムと比べてどれだけ時間がかかるか分からなかったので、先を急ぎました。初めての硫黄岳なので、先を見通せないので大変です。

オーレン小屋までは、コースタイムが 50分に対して早めに到着したので、順調です。
夏沢鉱泉で我慢していたトイレに行きます。

トイレの標識 右奥に仮設トイレがあります

天狗岳では、黒百合ヒュッテに登山に不要な荷物は預けて登れましたが、今回の硫黄岳は荷物を山小屋に預けることができないので、荷物の軽量化は頑張りました。それでも、10.5kg位あります。ソロの雪山なので、万が一用にツェルトと携帯カイロ、非常食も持って行っていますし、予備グローブもあり、なかなか軽くできません。

ただ、ピッケルとポールと比較してポールをやめたり、行動食の量を考えたりと、今までの少ない雪山経験から、なるたけ軽くするようにしました。

夏沢峠に向けて トレースがある樹林帯です

夏沢峠に向けて トレースがある樹林帯です

オーレン小屋からは、夏沢峠、箕冠山(根石岳山荘)、赤岩の頭と3つの方向に分かれますが、今回は夏沢峠へ向かいます。

夏沢峠〜硫黄岳1

夏沢峠は、平らの広い場所もあり、冬季は営業していませんが山小屋もあって風をしのげるので、休憩と準備にもってこいです。

夏沢峠 小屋で風を凌げて休憩もできる 正面は硫黄岳

ここで、チェーンスパイクからアイゼンに履き替えバラクラバヘルメットを被って、ピッケルを持ち、行動食の羊羹を食べてお湯を飲んだら出発です。

最初の4分の1は樹林帯で、その後から森林限界を越えて風がもろに来るようになります。この日の予報では風速15m/s以上だったので、夏沢峠にいる時から頭の上をビュービュー風の音がしていました。

樹林帯を抜ける前に、ハードシェルの上から化繊ダウン(モンベル フラットアイアンパーカ)を着て、強風による体感温度低下へ準備します。

硫黄岳へ(森林限界後)

樹林帯を抜けると、いきなり強風の洗礼を受けます。
登る方向は南ですが、南西からの風が強く、体感としては向い風です。

空を見ると、どんより雲がかかっています。ガスはないので視界は良いですが、モチベーションは上がりません。後ろの天狗岳を見ると、青い空が多少見えていて明るいので、天狗岳にすれば良かったか!と思いながら登りました。

天狗岳の方が空が明るい(ふたこぶが天狗岳)

天狗岳の方が空が明るい(ふたこぶが天狗岳)

途中、足元の雪がなくなり、岩が出てきます。

雪が地面に付かないということは、と思うと、さらに凄い風が吹いてきます。この風なら雪も飛んでいくわ!という感じです。

近づかない山頂

その先も風は強いまま、遥か彼方に山頂が見えますが、向い風に止まっては耐えて、10m進むと疲れから休んで、また歩いてという具合です。風をしのぐ場所がないので、休憩もできません
この風はヤバいからここで引き返すか?後、どのくらいで山頂に着きそうか?と悩みながらの登りです。

体力をなくして行動不能になる人がいるのも頷けます
強風で休憩する場所がないので、歩き続けるしかなく、どんどん体力を奪われていくのです。

引き返すべきだったと、後から思いました。山頂まで行けたのは、体力がたまたま持っただけで、体力が切れていたら遭難でした。

それでも、上から2つか3つ目のケルンが風を防ぐ方向にあり、そこでやっと休憩することができ、一息つけました。

このケルンで休憩できた!

ここから山頂まで、風が弱ければ10分かからないと思いますが、ここからも、進んでは止まるの繰り返しです。

近いのに遠い硫黄岳山頂

近いのに遠い硫黄岳山頂

硫黄岳を登るのは夏を含めて初めてなので、見えてる山頂っぽい所から本当の山頂まで遠いと辛いな〜などと考えながら、やっとこさ頂上に辿り着きました

山頂に着くと、風は強いですが、登りがなくなり、正面に赤岳、横岳、阿弥陀岳が見えていて登って良かったと、この時は思いました。

硫黄岳山頂から赤岳、横岳、阿弥陀岳

硫黄岳山頂から赤岳、横岳、阿弥陀岳

登山道は、山頂まで雪山のトラバースなど、危ない箇所はなく、今冬に雪山登山を始めた私も危険を感じずに登れました

赤岳を見て、しばらく落ち着いたら、下山開始です。
登山道は雪が強風で舞い上がっていて顔に粒が当たってきます。

強風で下りるのも大変でした

強風で下りるのも大変でした

途中で写真など撮らずに、さっさと下りて行きます
下りは風はあっても、重力で下へ下へ足が進んでそこまで辛くはなく、樹林帯に入った所でホッとして、そこからはゆっくりと歩きましたが、30分ほどで夏沢峠まで下山しました。

夏沢峠~箕冠山〜根石岳山荘

夏沢峠で、アイゼンからチェーンスパイクに替えて、足元を軽くして、箕冠山へ向かいます。ここからは樹林帯なので、風もない中、歩けます。
夏沢峠から箕冠山は30分ほどのはずが、登りがずっと続き、すでに足が疲れていたので、ペースはゆっくり、コースタイム以上にかかりました

箕冠山にある地図

箕冠山にある地図

箕冠山から根石岳山荘へ向かう途中で、樹林帯から出るといきなり超強風、道もトレースが分かりづらく、さらに途中から雪がなくなり石と土の道のため歩きづらい。残り100mで遭難か?と思った位でしたが、何とか根石岳山荘に到着し、1日目の山行が終了です。

おすすめの登山グッズ

雪山登山の本のおすすめ

雪山初心者で、雪山の技術的なことや雪山のコースがわからないので、YouTubeと本で、雪山について学びました。

YouTubeは偏った情報になっているのと、本当に正しいのかわからないです。ですから本で学ぶことも重要でした。
そこで私は、本で学んで、かつYouTubeで映像を見て本で学んだことを確認するようにしました。

最初の一冊なら、雪山の登山コースが丁寧に説明してあり、技術についてもわかりやすく記述されている『雪山登山 野村仁著』が、おすすめです。
より技術的に詳しく、高度なことを学ぶならヤマケイ登山学校 雪山登山 天野和明著がよいと思います。

▼雪山登山 野村仁著

▼ヤマケイ登山学校 雪山登山 天野和明著

雪山グローブ:ラックナーグラブとイスカ ウェザーテック オーバーグローブ

雪山を始めるにあたって、最も悩んだのがグローブです。
雪山に行く前からグローブ沼にどっぷり浸かってしまって、悩み、色々と買ってしまいましたが、行き着いたのがラックナーグラブイスカ ウェザーテック オーバーグローブの組合せです。

『ラックナーグラブ』

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『イスカ ウェザーテック オーバーグローブ』

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④インナーグローブ単体で使える:オーバーグローブなしで使用可

⑤濡れたら交換できる:濡れたグローブは凍傷になるので使えない

上記以外も、『ラックナーグラブ』は、未脱脂で油分を多く含んでいるウールを使用していて濡れに強く、厚いので保温性も高いのです。

『イスカ ウェザーテック オーバーグローブ』は、防風性が高く、これをつけるだけで風がなくなり暖かくなります。

サイズ感ですが、ラックナーグラブがMなら、イスカ ウェザーテック オーバーグローブもMでちょうど良いサイズ感となります。

▼雪山グローブ レビュー記事

雪山のグローブに悩んでいるなら、この組合せで、マイナス18℃の風速15m/sまで全然問題なく(それ以上かもしれませんが経験なし)、使い勝手もよいおすすめの雪山グローブです。是非チェックしてみてください。

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▼『SWANS OUTLAND BAATARA OL-110』レビュー記事

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