こんにちは むうさんです^^
私、むうさんは、小堀遠州流茶道の準師範で、名取です。名取なので、宗◯という茶名をお家元からいただいております。
自分でもこんなに長く茶道を続けることになるとは、始めた当初からは想像もできませんでした。
そんな私むうさんが、ビジネス人向けに書かれた茶道の本『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道 竹田理絵著』をご紹介します。
▼『教養としての茶道 竹田理絵著』
茶道の魅力
茶道というと女性がやるものという先入観がありそうですが、戦国時代は武将たちが茶の湯を行っており、江戸時代までは男性が行うものでした。
この本にも、下のように書かれた部分があります。
戦国時代に千利休が広めた茶道は、武将が心を整えるだけではなく、武道同様の“たしなみ”で、お茶室は密談する格好の場となり、男性の必須ビジネスツールでした。
その”たしなみ”の茶道ですが、実際にお稽古をしてみると、下のような感じです。私の実感にも非常に近いものになります。この本のはじめにからの抜粋です。
会社が終わり、週に一度のお茶のお稽古。頭の中は慌ただしい日常やパソコンの情報の波でザワザワ、グルグルと回り、心はカラカラに渇ききっている。
真っ白い靴下に履き替えて、お茶室に一歩入ると、お香のよい香りが漂っていて、お釜のシューッという音だけが聞こえてくる。
その音に耳を澄ませているうちに、自分の心のリズムが少しずつ切り替わっていく。
お釜の前に座り、一椀のお抹茶を点てることだけに集中すると、頭の中が空っぽになり、慌ただしい日常とは全く違う時間が流れていく。
「お抹茶を点てている間は、目の前のお抹茶だけに集中して、心が静かになり、他のことが頭から離れました。平和で心尽くしの詰まったお茶室の空間に包まれ、緊張感から解き放たれてリラックスすることができました。」
「お抹茶を点てている間は、目の前のお抹茶だけに集中して、心が静かになり、他のことが頭から離れ、リラックスする。」まさにこれを、私も実感しています。
仕事をしている私にとっては、これがお茶の魅力の大きな一つだと感じています。
『教養としての茶道』の内容
『教養としての茶道』をひと言でいうと
この本は、茶道とはどういうものかというよりは、茶道をすると、どういう良いことがあるか、ビジネスに役立つかが書かれた本です。
私も共感する所が多く、楽しんで読めました。
もちろん、茶道を知らない方も、茶道のわびさび、お茶碗をなぜ回すのか、お茶会での作法なども書かれているので、茶道を知識を得ながら、茶道の楽しさを感じられる本です。
『教養としての茶道』の目次
筆者は外資系企業に入り、日本の文化を海外の方に説明できなかった痛い経験があったようです。その後、茶道を中心とした日本の文化について、日本のビジネスマンや海外の方に伝えていきたいと考えて、今に至るとのことです。
そのような経歴が反映された内容になっています。
第1章:外国人が知りたい日本の文化・世界が憧れる日本のおもてなし
第2章:なぜエリートは茶道の虜になるのか
第3章:これだけは知っておきたい日本の伝統文化「茶道」
第4章:ビジネスや日常に活かしたい千利休の七つの教え(利休七則)
第5章:知っていると一目置かれる、日本人としての品格
第6章:知っていると自信がもてるお茶会の作法ー楽しむための知識ー
「外国人のお客様からは、「まるで舞踊をみているようでした」「芸術的でとても美しい」という声が聞かれるように」と筆者は書いています。私もまさに同感です。
他の方のお点前を見ていると、美しく、ずっと見ていたくなります。私は人のお点前を見るのが大好きなんです。凛とした茶室の中で、お点前を見ているのは本当に贅沢だと感じます。
▼『教養としての茶道 竹田理絵著』
日本の伝統文化「茶道」
茶道の流派というと、裏千家?表千家?などと聞かれますが、筆者は千家の3つの流派の違いについても書いています。
三千家には何か違いがあるのでしょうか?
まずは、お抹茶の点て方に違いがあります。
表千家のお抹茶は泡をあまり点てずに、泡がない部分が三日月状に広がります。
裏千家のお抹茶は表面全体に細かい泡を点てて、まるでカプチーノのようなふんわりとしたできあがりとなります。
武者小路千家のお抹茶も表千家と同じように、あまり泡を点てません。
このような流派の違いのような知識から、わびさびについてなど、茶道についての様々な事が簡潔にかかれています。茶道に触れたい方が最初に読むと、短時間で知りたいことが手に入る本の内容です。
そして、ビジネスエリートがなぜ茶道というと、結局は心を大事にしているからなのでしょうか。
茶道に興味のある方、触れたい方、ビジネス人として心を整えたい方、など、多くの方におすすめできる本です。是非、チェックしてみてください。
▼『教養としての茶道 竹田理絵著』
茶道、その他のおすすめの本
『日日是好日 森下典子著』
樹木希林さんが出演され映画にもなりました。
筆者である森下典子さんのエッセイとして書かれた茶道の本で、お茶のお稽古を通して様々なことを経験していく内容です。
日々のお茶のお稽古が具体的に書かれた本で、茶道とは何かというような難しさはなく、筆者の体験と視点から茶道の楽しさ、美しさ、感覚を教えてくれる本です。
もし、茶道を始めようとされている方、茶道の雰囲気を味わってみたい方に、とてもおすすめです。
『茶の湯の不思議 小堀宗実著』
遠州流のお家元が書かれていて、茶道を知らない方に向けた本です。
茶道はとても不思議な作法がいろいろとあります。
お菓子をなぜ先に食べてから、お茶をいただくのか?
お茶碗を回すのはなぜか?
その他、茶道のお作法や、四季の移り変わりとお点前など。
茶道のいろはを知りたい方にピッタリの本です。
▼『教養としての茶道 竹田理絵著』