こんにちは むうさんです^^
前回は、雪山の八ヶ岳の天狗岳登山に向けた準備でした。
今回は、今年の雪山目標である八ヶ岳にある天狗岳へ2泊3日の登頂記です。
2025年2月上旬の山行です。
天狗岳 雪山登山レビュー
登山ルート
今回は、西天狗まで登頂したかったので、予備を含めて3日間としました。
結果として、初日に東天狗岳、2日目は粘った末に東天狗岳と西天狗岳の両方とも登頂できました。黒百合ヒュッテに到着したのが14時30分で、帰りのバスに間に合わなかったので2泊して正解でした。
《ルート》
・初日:茅野駅→バス→渋の湯(標高1850m)→黒百合ヒュッテ(2393m)→中山峠(2409m)→天狗岳分岐(2574m)→東天狗岳(2640m)→中山峠→黒百合ヒュッテ(泊)
・2日目:黒百合ヒュッテ→中山峠→天狗岳分岐→東天狗岳→西天狗岳→東天狗岳→中山峠→黒百合ヒュッテ(泊)
・3日目:黒百合ヒュッテ→中山峠→東天狗岳方面→中山峠→渋の湯→バス→茅野駅
《コースタイム》 初日:4時間50分 2日目:3時間0分 3日目:2時間15分
茅野駅〜渋の湯
前日に降雪とのことだったので、茅野駅に雪があるかと思って行きましたが、いつも通りで、雪の少ない茅野駅でした。
バスのチケットは、毎回、乗車前に、アルピコ交通のチケット売り場で購入しています。現金かチケット支払いしかなく、降車時に1800円ピッタリをジャラジャラ払いたくないからです。
ただ、帰りのバス代用に、お釣りがないように1800円の現金は準備しています。バスの中で両替もできるので必須でないですが、面倒なので。
行きのバスでは、正面に雪を被った八ヶ岳が見えて来て、テンションが上りました。
渋の湯で降りたら、すぐにザックを背負って、橋の前まで100mほど歩きます。
バス停の前が渋の湯旅館なので、邪魔にならないようにさっさと先に進んでしまうためです。
天狗岳 雪山登山<初日>
登山口〜黒百合ヒュッテ
橋の前の登山口で、チェーンスパイクを装着して出発です。
黒百合ヒュッテまでは、チェーンスパイクなしでも行けそうな感じですが、チェーンスパイクを履いた方がグリップ力が増して疲れにくいためです。
一方アイゼンを履くと、重さと強すぎるグリップ力で疲れるので、アイゼンは履かないと決めていました。
橋を渡るとすぐに、左:高見石、右:黒百合平 という道標が立っていて、右に進みます。
標高差は、渋の湯の1850mから、黒百合ヒュッテの2393mと543m登ります。
最初はそこそこの登りですが、唐沢鉱泉への分岐を越え、その次のパノラマコースとの分岐からはとてもなだらかになり、平地という感じなので、楽に歩けます。
渋の湯から黒百合ヒュッテまで、樹林帯を歩き、危ない箇所はなく、天狗岳に登る前の軽い足慣らしです。
そして、登山道に金属製の網網が出たら、黒百合ヒュッテへ到着間近です。
黒百合ヒュッテ
黒百合ヒュッテまで、約2時間歩き続けたので、一旦休憩のため、小屋で休むことにしました。
ランチ時間は、10時〜14時の営業です。
まず、宿泊の手続きをしましたが、ネット予約のため、用紙に記入することもなく楽でした。
山小屋に着いた時に、宿泊手続きの用紙を書くのは面倒なので、嬉しいポイントでした。
荷物を預けたいことを伝えると、一階の棚に置いていいということでしたので、袋に入れて、個別に分かれている棚に置かせてもらいました。
他の方も置いていますが、温泉の脱衣所の棚のように敷居が切られていて、1人一つの棚を使う感じです。
ここで、黒百合ヒュッテ名物のビーフシチューを頼んで、腹ごしらえです。
温かいのと、大きな肉と濃くがある美味しさとで、エネルギーが身体に満たされていくのを感じます。
持ってきたパンも食べて、天狗岳に向けて準備万端です。
初日の天候
ウェザーニュースの有料アプリに「山の天気」CHがあり、天狗岳山頂の天候は晴れ、ただし登山指数は「〇」ではなく「!」、10mを超える強風のためです。
実際の天候は、少しガスが出ている感じでしたが、風はそれほどでもなかったです。
黒百合ヒュッテ〜東天狗岳山頂
バラクラバを被り、その上からヘルメットをして、アイゼンを履いて、ピッケルのリーシュを肩から掛け、準備完了!出発です。
出発時刻が13時40分とランチの時間を取りすぎたので、時間切れになって途中で引き返すことも考えながら歩き始めます。
アイゼンの固定具合を確認しながら歩いていると、中山峠です。
ここを右へ曲がり天狗岳への登山道へ入っていきます。
入ってすぐの左側に展望の良い場所があるのですが、1月の下見の時に十分見ているのと、時間がなかったので素通りして先を急ぎます。
樹林帯を抜け、先に進むと、天狗岳の姿を捉えらました。
初日は、左の東天狗岳がターゲットです。
下から見ると、かなりの急登です。実際は、片足でアイゼンの前歯を蹴り込む、ナインオクロックとピッケルで普通に登れました。
手にピッケルのピック部分の根元を持って、手をついては登るほどの急登ではありません。
ただし、樹林帯を抜けると風もあり、寒さを感じたので、ハードシェルの上からモンベルの化繊ダウン(アイアンフラットパーカ)を着ました。温度計を見ると、気温はマイナス16℃でしたが、これで寒さは感じずに済み、下山まで着っぱなしでした。
少し登ってから振り返ると、蓼科山、北横岳が綺麗に見えます。
そして、もう一つ気づいたのが、前の方に1人いますが、後ろには誰もおらず、天狗岳を登っている最後の1人となっていることにです。心細くなったりはなかったですが、時間が厳しいかもと考え始めました。
天狗の奥庭と中山峠からのコースが合流する天狗岳分岐からは、事前情報で登山道が狭くなったり、トラバースがあったりで、難しいとあったので、肩から掛けているカメラバッグをザックに入れて、ぶらぶらするものを無くしました。初めての雪山の天狗岳、慎重に登ります。
この分岐の少し先のトラバースが、難しい箇所とのことでしたが、なんということもなく無事に抜け、進んでいくと天狗岩が目の前に見えてきました。
ただ、時間も遅くなって来て、このまま行くか?悩みました。初めてのため、後どの程度の時間で登れるか分からなかったためです。
ここで、私の前を歩いていた人が丁度下りてたので、後どれくらいですか?と聞くと、すぐですよ15分くらいかなとのこと。下ってきた人は、下りの時間感覚で話すので短めに答えるケースが多いですが、それでも30分は掛からないと思い、それなら遅くても日の入前に、樹林帯まで下りられると考え進むことにしました。
この後、天狗岩をトラバースする所がありますが、トレースを追えば問題なく歩くことができます。
天狗岩より先は東天狗岳への最後の登りです。気が急いていきますが、落ち着かせて、アイゼンワークを一歩一歩確認しながら登ります。
YouTubeで見たロープが見えて来て、あと山頂までちょっと、もう大丈夫、後は簡単だから登れたと思いながら進むと、東天狗岳の山頂です。
東天狗岳山頂〜黒百合ヒュッテ
下りの方が事故が起こりやすいので、慎重に下りました。
カメラを取り出したのは、天狗岳分岐からで、そこまでは我慢しました。
天狗岳分岐までも、危ない感じは、まったくなかったです。
天狗岳分岐で、カメラバッグを肩から掛けてからは、下りでは目の前に景色が広がるため、その美しい景色が目に入るたびに、カメラで撮影したくなって、シャッターを押すという感じでした。
下山時刻は、で、思ったより早く下山できました。雪山は真っすぐ下れるので、コースタイムより早いことが多いです。
感想は、難しい所はなかったということ。体力があり、雑に歩いたりしなければ、登れるなという感じでした。下にあるアイゼンワークの基礎と、ピッケルを持っていれば、問題なく登れます。
ピッケルを使う最初の雪山として紹介されていますが、その通りというのが登った実感でした。
私の場合は雪山講習は、机上の無料講習は受講しましたが、実地はしておらず、雪山登山の本と、YouTubeのみです。
アイゼンワークの紹介
私が、気をつけた点、実際にしていたアイゼンワークの紹介です。
これで天狗岳に登りました。
下に書いたような動作をするために、歩いている道はどういう状況か?足の置き場はどうするか?など、一歩一歩に集中して、雑に足を動かさないことでアクシデントを防ぎました。
②左右の足の間隔を広げる
アイゼンを引っかけないように、左右の足の間に、こぶし一つ入るようにしていました。
③トレースにある足跡に自分の足を置く
足型がある部分は踏み固められていて、踏み抜き防止と歩きやすいからです。
④ナインオクロック
勾配のキツイ所を登る時に使いました。動作としては、右足の前爪が食い込むように雪面に蹴り込み、左足を9時方向に開いて登るという感じです。蹴り込む時に、膝下を振る感じと、やや下方向に蹴り込むのがコツです。やや下方向に蹴り込むのは、体重を乗せた時に少しかかと側が沈むためです。 このようにして、前爪を雪面に食い込ませると、身体を持ち上げてもグラついたりしません。
⑤トラバースでは、安定させるために、山側の足を進行方向に谷側の足は開いて進む。
⑥方向を変える時は、変える方向の足から動かす
足をクロスさせないためです。足がクロスすると、アイゼンを引っ掛ける可能性があり、危険だからです。
⑦ピッケルを使う場合には必ず2点支持
夏山などの岩場の3点支持のように、雪山ではピッケルを使って2点支持にします。動作は、ピッケルをついたら足をつく、次にもう片方の足をつくというように、ピッケル→足→足とします。このように、ピッケルと足を同時に動かさないことで2点支持を維持します。ピッケルと足を同時に動かすと片足立ちの1点支持になってしまうからです。
雪山初級者の私がアイゼンワークでできることはこのくらいでしたが、逆に言うとこれくらいで天狗は登れるということです。
おすすめの登山グッズ
雪山登山の本のおすすめ
雪山初心者で、雪山の技術的なことや雪山のコースがわからないので、YouTubeと本で、雪山について学びました。
YouTubeは偏った情報になっているのと、本当に正しいのかわからないです。ですから本で学ぶことも重要でした。
そこで私は、本で学んで、かつYouTubeで映像を見て本で学んだことを確認するようにしました。
最初の一冊なら、雪山の登山コースが丁寧に説明してあり、技術についてもわかりやすく記述されている『雪山登山 野村仁著』が、おすすめです。
より技術的に詳しく、高度なことを学ぶなら『ヤマケイ登山学校 雪山登山 天野和明著』がよいと思います。
▼雪山登山 野村仁著
▼ヤマケイ登山学校 雪山登山 天野和明著
雪山グローブ:ラックナーグラブとイスカ ウェザーテック オーバーグローブ
雪山を始めるにあたって、最も悩んだのがグローブです。
雪山に行く前からグローブ沼にどっぷり浸かってしまって、悩み、色々と買ってしまいましたが、行き着いたのが『ラックナーグラブ』と『イスカ ウェザーテック オーバーグローブ』の組合せです。
私が行くレベルの雪山なら、下の雪山に必要な機能を全て持っていて、雪山グローブはこれだ!という結論に至りました。
①風をシャットアウト:暴風の中でも歩けるように
②保温機能:凍傷にならない、手が寒くて動かなくならない
③手で作業ができる:アイゼン装着、カメラ操作など
④インナーグローブ単体で使える:オーバーグローブなしで使用可
⑤濡れたら交換できる:濡れたグローブは凍傷になるので使えない
上記以外も、『ラックナーグラブ』は、未脱脂で油分を多く含んでいるウールを使用していて濡れに強く、厚いので保温性も高いのです。
『イスカ ウェザーテック オーバーグローブ』は、防風性が高く、これをつけるだけで風がなくなり暖かくなります。
サイズ感ですが、ラックナーグラブがMなら、イスカ ウェザーテック オーバーグローブもMでちょうど良いサイズ感となります。
▼雪山グローブ レビュー記事
雪山のグローブに悩んでいるなら、この組合せで、マイナス18℃の風速15m/sまで全然問題なく(それ以上かもしれませんが経験なし)、使い勝手もよいおすすめの雪山グローブです。是非チェックしてみてください。
▼ラックナーグラブ
▼イスカ ウェザーテック オーバーグローブ ブラック
SWANSサングラス~日帰りも夏山も雪山にも
SWANSのサングラスをずっと使っています。
SWANSを使い続ける理由は、コスパが良く、紫外線カットの寿命が長いからです。
SWANSで製造しているサングラスは、どのレンズカラーであっても紫外線吸収材料を練り込んで製造しているため、色の濃さに関係なく有害な紫外線を99.9%以上カットしています。また通常のご使用方法でしたら、時間によって劣化することはございませんので、安心してお使いいただけます。
※山本光学(SWANS)ホームページより抜粋:https://swans.co.jp/faq/detail/6/
特に、『SWANS OUTLAND BAATARA OL-110 CSK』は、下の特徴があり、登山用として使いやすいのです。
①紫外線カット率=99.9%
②軽い:23.5g
③明るめの可視透過率:40%と日陰でも見やすく、ずっと装着していられる
④偏光(PL)性能:雪山で雪面が見やす
⑤風よけ(サイドフード):雪山での強風に対応
▼『SWANS OUTLAND BAATARA OL-110』レビュー記事
おすすめのサングラスです。是非チェックしてみてください。
▼『SWANS OUTLAND BAATARA OL-110 CSK』
amazonはOL-106ですが、楽天とYahooはOL-110