こんにちは むうさんです^^
写真を撮っていると、何か伝わる写真を撮ってみたいと思い始めました。
ところが、写真から何が伝わるのか、いまいちピンときません。
そんな時に見つけたのが、写真雑誌『GENIC』。
今回ご紹介するのは『vol.61 伝わる写真』ですが、その前の号である『vol.60 とある私の日常写真』の時から気になっていました。
今回は、写真雑誌(季刊誌)『GENIC 2022/1 vol.61 伝わる写真』のブックレビューです。
▼『GENIC vol.61 伝わる写真』
写真雑誌『GENIC』とは?
写真雑誌『GENIC』は、年4回の発行となっています。
そして、Youtubeに編集長の方が出演されていましたが、女性の方が編集長で、SNSなどで発信している最近の写真家さんの作品を多く掲載している雑誌です。
ですから、2000年、2010年代の著名な写真家さんというよりも、現代のフォトグラファーの想いや、作品を見ることのできる、貴重で、そして素敵な写真雑誌です。
雑誌のサイズも大きく、A4サイズやムックサイズより大きな、横23cm、縦30cmの大型雑誌です。
ですから、写真も大きくしっかりとみられますし、スマホ画面で眺めているのとはかなり違った印象になります。写真はサイズで見え方が変わりますね。
編集長の方がいうには、ページ数は144ページと決めていて、GENICならではの特徴が仕込まれています。
一番の特徴は、雑誌のテーマ、今回紹介するvol.61なら『伝わる写真』がテーマですが、この一つのテーマに対して特集を7つとかで構成しているようです。
ですから、今回紹介する『GENIC 2022/1 vol.61 伝わる写真』も、144ページすべてが『伝わる写真』というテーマへ紐づいているということです。
『伝わる写真』というテーマ
購入した理由(わけ)
今回『GENIC 2022/1 vol.61 伝わる写真』を購入した理由の一つに、いろいろなジャンルの写真を見たいと思ったこともあります。
Instagramでは、自分の好きな写真は集まっていきますが、その自分の範囲外のものをインスタの画面におすすめで表示されることもなく、どんどんと深掘っていくだけとなります。
私は、綺麗なものを、素直に綺麗に撮っていますが、
色々なジャンルの写真を見ることで、写真を見る目が養えて、伝える写真を撮れるにならないか!という思いです。
『伝わる写真』の特集
下のような7つの特集となっていました。
【特集1】<Photographer’s Identity>写真家が心に抱く、それぞれのテーマ
【特集2】愛が伝わる写真
【特集3】A world we've never seen.
【特集4】地元の冬景色
【特集5】伝わるクリエイティブ
【特集6】想いを運ぶ写真術
【特集7】五感を刺激する写真たち
特集1で、写真と心に抱くテーマを語ってくれているフォトグラファーは、
酒井優衣
Maya Matsuura
柏田テツヲ
角田明子
大林直行
の5名の方です。
表紙の写真は、Maya Matsuuraさんの写真で、下のように語っています。
〝おばあちゃんになった時の視点を想像しながら、”今”を切り取る〟
「たまに自分のアーカイブを見て、その時の空気や匂いを思い出してタイムトラベルします。おばあちゃんになった自分の視点から日常を見てみると、何でもないような日々も、いいことや嫌なことも、すべてがちゃんと愛おしく思える気がするのです。なんとなく85歳の私が隣にいて『いろいろあったけど、やっぱりいい時間だったね』って言ってくれる感じ。心なしか気持ちも軽くなる。」
そして、「人のために写真を撮っているわけではないのですが、誰かの日常にも愛おしさが増えるきっかけになるのなら、それは本当にうれしいことです。」
と語っています。
この思いが、表紙の写真に反映されているのですね。
そして、特集1の
大林直行さんの『ポートレートに投影する自分』
は、とても印象的でした。
女性の写真が少しアウトフォーカスだったり、死と生を感じさせる写真であったりとかが、印象的でした。
『先の見えない不安や閉塞感、それとは対照的に静かな美しさや生命力を表現したかった』
と語っていて、写真からもそのようなものが伝わってきます。
▼『GENIC vol.61 伝わる写真』
掲載されているフォトグラファー
特集2では、
川原崎宣喜、森友治、山本陽介、うちだなおこ、セソコマサユキの5名の方。
特集3では、
佐藤健寿、上田優紀、西山勲の方々。
特集3はテーマが「A world we've never seen.」ですから、見たことのない風景、人々の生活の写真を見せてくれます。
特集4では、
別所隆弘、nao、吉岡栄一、yuki、イナガキヤスト、Nagi / みなぎ です。
地元の冬景色をテーマに、滋賀、京都、北海道、石川・金沢、新潟、富山、京都・伊根 の写真が紹介されます。
この中でも、京都の伊根の写真が一番しっとりとして、空気感が伝わってくる写真でした。
京都の伊根は日本酒の酒蔵めぐりのような番組で見たことがあったのですが、海に家が突き出たような”舟屋”の風景が広がっています。
地元で育ってきたフォトグラファーさんの写真は、優しさ、穏やかさのような気持ちにさせてくれます。
撮影されたのはNagi / みなぎさんなのですが、インスタのフォロワーになりました。
特集5では、
柳詰有香、大西日和、龍崎翔子、石川直樹の4名の方。
特集6では、
古性のち、saki、筑城俊、花梨、Harumi、成瀬凜の方々。
特集6のテーマは、「想いを運ぶ写真術」。
写真に個性があり、ジャンルもバラバラの6名のフォトグラファーさんの想いが、5~6枚の写真とともに、見開き2ページずつで、語られていきます。
特集7では、
Timo Lemmetti、ミユキマザー、Paul Hiller、Kou Kato、Helga Stentzel、yurie、masa_404、藍嶋しお、土居夏実、奥はる奈、安永明日香、加茂雄馬 / kamosan、Satoru、nichiiro、マッキー/Hidekazu、Makiyama、akiko、てっしー、KaHo.M、MASUMI、染谷ノエル、久慈鈴奈、hassakumama、はち、Marsha、mayu、 ikuma、佐藤啓、祐子、栗田脩
と、たくさんのフォトグラファーさんが五感を刺激する写真を紹介してくれています。
私は森林セラピストなので非常に興味があったテーマでした。
森林セラピーは五感を刺激することで、頭で考えるのではなく、今を感じることで癒されることが効果の一つです。
「【特集7】五感を刺激する写真たち」には、こんな写真なら視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚の五感で感じるなと、思いもかけない視点の写真が一杯でした。
▼『GENIC vol.61 伝わる写真』
『GENIC vol.61 伝わる写真』は何度でも見かえしたくなる
フォトグラファーさんの想いを読んで写真を見てもよし。
単に、写真を眺めてもよし。
通勤電車の中で、座席に座りながら、何日も、何度も見かえしている自分がいました。
写真雑誌『GENIC』はとても魅力的で素敵な雑誌です。
紙媒体で写真を見る機会はめっきり減っていますが、大きなサイズで、紙で見てみると、写真の魅力が伝わってきます。
今回は、『vol.61 伝わる写真』でしたが、その前後も、amazonでは新品で入手できます(2022年7月現在)。是非、チェックしてみて下さい。
▼『GENIC vol.61 伝わる写真』
▼『GENIC vol.60 とある私の日常写真』
▼『GENIC vol.62 素肌と素顔を写す』
▼『GENIC vol.63 Street Photography 物語の流れる道の上で』