夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイド、自然観察指導員”むうさん”による、自然体感レビューブログです

【茶道の伝言】『日日是好日』、『好日日記』、『好日絵巻』《1》~森下典子さんの三部作のご紹介(ブックレビュー)

こんにちは むうさんです^^

今回は、茶道のエッセイをご紹介いたします。
堅苦しくなく茶道を楽しめるエッセイですので、お付き合いください。

最初に、私とお茶の関係をお伝えさせてください。
私は、遠州流茶道の名取(なとり)、奥之伝を終了し、宗号をいただいております。
茶道の楽しさを、この3部作を通じてお伝えできればと考えております。

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日日是好日』は、私が茶道を始めてから知った、エッセイストの森下典子さんお茶のお稽古などを描いた本です。

樹木希林さんと、黒木華さんが出演されて、2018年に映画にもなっています。
樹木希林さんの遺作でもあります。

▼日日是好日(DVD)



森下典子さんが大学生の時に、挨拶の所作が美しく只者ではないと感じた武田のおばさんこと、お茶の先生に、茶道を習い始めます。

それから、25年、茶道を続けられていて、日々のお茶のお稽古であったことを描いた本です。

日日是好日好日日記好日絵巻森下典子さんの三部作をご紹介します。
今回は、『日日是好日』の読後レビューとなります。

▼『日日是好日』



▼『好日日記』



▼『好日絵巻』

 

 

『日日是好日』を読んで感じること

茶道のお稽古を描いた本というものは珍しいので、茶道のお稽古をされている方には、具体的に茶道について参考になると思います。

また、茶道に興味のある方には日本文化としての茶道ならではの感覚がどういうものかが伝わるでしょうし、
古くからの日本文化が醸し出す、懐かしさを感じるかもしれません。


私はこの本を読むたびに、なぜか?この本に昔の日本があるように思い、
子どもの頃に感じたことを思い出し、懐かしさを感じます


副題に、『「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」』とあるように、15章一つひとつに、筆者がお茶の中で感じた「しあわせ」が紹介されています。

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お茶のお稽古 床の間には掛け軸


日日是好日とは?
お茶の時には、床の間に、禅の言葉の掛け軸をかけます。
その中でも有名な言葉の一つに、日日是好日があります。
是非、この本を読んで、お茶の中でのどんなことでこの言葉が使われているのか、知ってみてください。
 

リアルなお稽古場面~日日是好日~

お茶のお稽古の場面で、
森下さんがお釜からお湯を汲んだ時に、武田先生が、
“「あっ、あなた、今、お湯の表面をすくったでしょ。お湯は、お釜の下の方からくみなさい。お茶ではね、中水、底湯と言って、水は真ん中、お湯は底の方からくむのよ」”
と、教えられています。

私も、最初の頃に師匠によく言われたものでした。

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釜からお湯を汲む時は底湯、右の水指からは中水


お茶は、一つの所作を覚えると、どういうわけか前にできていた所作ができなくなり、お湯は底から汲みなさいと、よく言われました。
森下さんもきっとそうだったのだろうと、ホントにリアルな描写です。


“「お茶はね、まず『形』なのよ。先に『形』を作っておいて、その入れ物に、後から『心』が入るものなの」”


お茶とは、そういうものなのです。
形というと、形式的でルールでがんじがらめに感じるかもしれません。ですが、お茶は動きなので、まずはしっかりとその動きができること。

その動きとは、数百年かけて作られてきた美しい所作、すなわちお客様をもてなすことなのです。


茶道というと、お茶碗を回してから飲むという、お客様の動作があります。
知ってらっしゃる方もいるかもしれません。

ですが、この動作は千利休宗匠の時から行われていた動作ではないようです。
長い年月の間で、どなたかが始めた動作が、広く受け入れられ、今では当たり前の動作になっています。

初めてやられた時は、形式から外れた、ルール破りの動作だったと思います。でも、そういう外れたことも、皆が良いと思ったことをお茶は受け入れています。

お茶は『形』なの。
というのは、本当ですが、
その先には、自由に変えていける文化の土壌があるのも、本当のことです。
 

五感で感じるお茶~日日是好日~

この本の帯に、“五感で 季節を味わう よろこび”
とありますが、この本にはお茶で味わえる五感が詰まっています。

お稽古の時に釜からする音、松風
釜のお湯が湧いていますよと、そういう準備をさせていただきました。とお客様に伝えるためです。

今はガスコンロなどで簡単にお湯を沸かせますが、昔は炭を用意して、火をつけて、お湯を沸かす。とても手間のかかることでした。
その贅沢を、松風で伝えていたのです。

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釜のお湯が煮える音 松風


また、水の音も本の中で紹介されていました。

頭痛がひどい時に、音が聞こえます。
つくばいのように瀬戸物の花瓶へ蛇口から水を細くして出してあり、チョロチョロチョロ……と音がしてきている。
森下さんはなんの音かわからないが、癒やされる感じがする。

帰り際に、音の正体に気づいた森下さんは、
“「水音」が聞こえるだけで、人はリラックスし、疲れを忘れる。私はいつの間にか、「自然」とつながっていたのだ。”
と元気になり、人間は「自然」に触れれば回復すると気づくのです。

やはり、自然。
お茶を始めると、自然を感じるようになるのです。
 

茶道がくれるもの~日日是好日~

この本の一つのクライマックスは、"第十章 このままでよい、ということ"
にあります。

森下さんが、お茶を続ける中で後輩ができます。
そして、後輩達がどんどんと成長していく姿を見て、自信をなくしてしまい、お茶を辞めようと悩むのです。


そんな時に、お茶事があります。
お茶事とは、半日かけて、お料理を食べたりお酒を頂いたりした後に、美味しくお茶を飲む行事です。

“一杯のお茶を楽しむために、なんと半日もかけたのだ。”
と、森下さんが驚きます。


お茶事という、毎週のお稽古の集大成を経験した後、ふと、通常のお稽古に戻った時に、心の声がします。

“このままで、いいじゃないか”と、そして、
“そうだ、気がきかなくてもいい。頼りにならない先輩でいい。自分を人と比べない。私は、私のお茶をすればいいのだ”

と、
そして背負っていたものを下ろして、
やめるまでやめないでおこうと続ける決心をします。
 


お茶は、お稽古で、日々精進し、その結果としての美しい所作美味しいお茶が、お客様へのおもてなしとなります。

私も、先輩方の美しい所作を見るのが、本当に好きで、見ていると楽しくなります。
この本には、お茶をしている人が感じる、お茶の楽しさや、文化としての美しさが詰まっています
是非、チェックしてみてください。

▼『日日是好日』



▼『好日日記』



▼『好日絵巻』

続きの『好日日記』、『好日絵巻』のブックレビューはこちらをご覧ください。

▼【茶道の美】『日日是好日』、『好日日記』、『好日絵巻』《2》

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※この記事で” ”で囲った箇所は、『日日是好日 森下典子著』より抜粋した部分となります。

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