こんにちは むうさんです^^
植物の不思議を、まちなかで観てみよう!と”植物観察家”の筆者が、さまざまな植物の生態を紹介している、写真をつかった漫画チックな本です。
読みやすく、書かれていることも様々な発見があることばかり、まちなかの植物につい目が行くようになってしまう”おすすめの本”、
『まちの植物のせかい そんなふうに生きていたのね 鈴木純著』
のブックレビューです。
まちの植物のせかいとは?
はじめにで
こんなはじめにを書いている筆者の肩書は"植物観察家"だそうです。
「植物を観察したことがあれば今すぐにでも名乗ることが出来る、きわめて敷居の低い肩書を自分につけることで、植物観察は誰にでも出来るんだ、誰にでも楽しめるんだというメッセージを込めています。」
このはじめにを読んだだけで、植物の好きな私はワクワクしてきました。
まちなかで手軽に観察できる植物を30種類も、「そんなふうに 生きていたのね」と、植物の生態を観察した豊富な写真と愛情ある言葉で紹介しています。
すっごく拡大して観察したり、触ったり、嗅いだり、ちょっとした実験をしたり、実践しながらの説明なので、本書を読めば、自分もやってみることができます。
そして、写真の中に、吹き出しでどこをみて、どうなっているね、と子どもがわかる言葉で、植物観察会に参加しているかのように説明してくれています。
写真マンガのようです。
私も、この本に書いてあることを2つほど、実践してみたので、ご紹介しながら、この本の面白さを伝えていきたいと思います。
アカメガシワの赤い葉は?
アカメガシワとは、どんな木?
アカメガシワ
「あまり知られていないかもしれませんが、じつは空き地やアスファルトの隙間からよく顔を出す、まちなかではお馴染みの樹木です。」
そうなんです、樹木の中ではパイオニアと呼ばれていて、明るい場所ができると真っ先に芽を出して、あっという間に生長して大きくなり占有していくパイオニア(開拓者)なのです。
道路脇、陸橋の脇の狭い場所、住宅地の明るい場所など、狭い場所でも大きくなっています。
アカメガシワは名前の通り赤いのですが、何が赤いかというと、葉っぱです。
ただしすべての葉っぱが赤いのではなく、春の芽を出す時期、新葉だけが赤いのです。
新しい葉っぱは、まだ弱いのですが、これから成長して光合成の役割を担ってもらわないといけません。新しい葉っぱが弱い時期は、紫外線から身を守るために赤いものを身につけているのです。
身につけて?
どういうことか、本書で紹介されていることを実践してみます。
▼写真の右側の葉は、アカメガシワの赤い葉っぱです。
ところが、この赤い葉っぱの表面をこすると~
身に着けていた赤いものがとれて、緑色が顔を出してきました。
葉っぱそのものが赤いのではなく、葉っぱが赤いものを身につけているだけなのです。葉っぱは成長すると赤いものを脱ぎ捨てて緑色になり、光合成を始めるのです。
赤いものの正体? 是非本書を読んで確認してみてください。
シロダモの白とは?
シロダモ
本書にも書かれていますが、シロダモは葉っぱの裏が白いから、シロダモ。葉っぱで見分けられる樹木です。
▼新しい葉は、少し赤く、裏は真っ白
春先にはビロードのような葉っぱで、さわると柔らかい毛が気持ちいい、いつまでも触っていたくなる葉っぱです。
ですが、季節が進むと、しっかりとした濃い緑色の葉っぱになり、葉っぱの裏の白さも増してきます。
葉の裏の白いものの正体は?
葉っぱをライターで炙ると、緑色になって、白いものがなくなります。実は、葉の裏は白い蝋(ろう)でコーティングされていたんです。
本書から抜粋すると、
「新緑のときは毛でふさふさにして身を守り、大きくなったら蝋(ろう)でコーティングするというのがシロダモの作戦。」
というように、樹木の葉っぱは、自分をまもるための工夫をしています。
動けない植物もいろんな工夫をしていて、本書ではそれらをたのしく紹介しています。
そのほかにどんな植物が紹介されている?
●シナマンサク
不思議な花について観察しています。
●ツユクサ
受粉の用意周到な二段構えの技について書かれています。このブログでも植物に学ぶ生存戦略として、ツユクサの受粉について詳しく書いていますので、ご覧ください。
●ヤマボウシ
花はどれ? ヤマボウシの花のお話です。
●シロツメクサ
わたし、こう見えてマメなんです マメ!どういうことでしょう?
●ケヤキ
冬芽の中ですすむ、春の準備 どんな準備なのでしょう?
●栗の花
クリの花のどこに栗は実のでしょう?
●彼岸花
彼岸花の花と葉っぱのお話です。
他、30種類のまちのなかの植物たちを、読みやすく楽しめる本です。
是非、チェックしてみてください。