こんにちは むうさんです^^
『植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之』は、2018年9月から2020年8月にかけて、
NHKで、4回に渡って放送された番組です。最近でも、再放送されていました。
NHKらしくない”面白い”番組で、大人が楽しめてしまいます。
紹介されていた植物の生き残り戦略をお伝えします。
植物に学ぶ生存戦略 番組の概要
アナウンサーの林田理沙さん、俳優の山田孝之さんが、コント劇をやりながら、様々な植物の生存戦略を教えてくれます。
植物は、動けないことから、生き残るために様々な工夫をしています。
それが、人の生き方や、商売の仕組み、組織の戦略などのヒントになるので、NHKで4回も企画、放送されたのだと思います。
では、
放送された植物の生存戦略はどんなものなのかを、具体的に、ツユクサについて、ご紹介します。
ツユクサの生存戦略は面白い
ツユクサは、秋に青い花を咲かせる草花です。
珍しい草花ではなく、公園や雑木林などに行くと、普通に足元に群生をつくって咲いています。
そのツユクサが、自然の中で生き残っていくために、どんな戦略を持っているのでしょうか?
ポイントは、草花の受粉です。受粉しなければ種ができず、子孫を残せないからです。
草花の生存戦略は、寿命が短い自分自身が生き残ることではなく、いかに子孫を残すかにあります。
1つ目の戦略:見た目で目立つ
上の写真のように、青い花びらの内側に、黄色い花粉があります。
青と黄色の反対色にすることで目立たせることで、受粉を手伝ってくれる虫を呼び込みます。番組では、黄色いネオンサインと表現していました。
2つ目の戦略:ニセモノの花粉を使う
花粉は昆虫、蜂などの食料です。黄色いところはニセモノ、花粉に似せたオブジェなのです。これで昆虫を呼び込みます。でも食料がないと、すぐに、虫が去ってしまうので、ニセモノの花粉の近くに少しだけ、本物の花粉があります。
さらにその手前に多量の花粉が付いている本物ののオシベがあり。少量の花粉を食べているときに、虫にたっぷりつくようになっています。
こんな複雑な構造をしていて、ツユクサの進化がどうだったのか想像すると面白いです。
3つ目の戦略:虫なしで受粉する
花は早朝に咲いて、昼にはしぼんでしまいます。残念ながら、虫による受粉がないまましぼむ場合もあります。そのままでは、種ができません。
そこで、しぼむ瞬間に、自分のメシベをオシベの花粉につけることで、自家受粉(他の花の花粉で受粉するのではなく、自分の花粉で受粉する)するのです。
自家受粉では、その花自身の遺伝子を伝えるだけになります。
ですから、様々な環境に対応して生き残るために必要な遺伝子の多様性が得られません。できれば避けたいのですが、全く種が残らないよりは良いと最後の手段として自家受粉するのです。
色々なツユクサの工夫は、いかがでしたか。
動けないツユクサが、様々な工夫をして、子孫を残そうとしているのが分かります。
自然の厳しさと、それを乗り越える、ツユクサ。
生存戦略を実行するためのさまざまな工夫は、とっても面白い!です。
私は、この番組を見て、もっと他の植物についても知りたくなりました。
最後に、『植物に学ぶ生存戦略』をもっと知りたい方のために、私のおすすめの本をご紹介いたしますす。
「野に咲く花の生態図鑑」 多田多恵子/著
さまざまな植物の生存戦略や、生態などが、やさしくかかれています。
一番の魅力は、写真がたくさん掲載されていて分かりやすく、頭で理解するだけではなく、フィールドにでて実際に見ているようなたくさんの写真が載っていることです。
例えば、春を告げるタチツボスミレ。
タチツボスミレは受粉ができなくても種を作るために、自分で種をつくる開かない花をつくり、生き残ろうとしています。この開かない花など、タチツボスミレで7枚の写真と5枚ものクローズアップ写真が掲載されています。
ヤマボウシ、ホオノキ、カラスウリ、カタクリ、マンリョウ…。
取り上げられている34種類の植物のことがわかります。ご興味ある方は、是非チェックしてみてください。
植物に学ぶ生存戦略で紹介された植物以外であったり、紹介された植物についてより詳しく知りたい方へ、上の本を含む、おすすめの本を6冊ご紹介しています。
こちらもチェックしてみてください。
また、植物に学ぶ生存戦略については、他の植物の面白い生き残り戦略も記事に書いています。是非、ご覧ください。
自然観察を始めてみたい、少し知りたいという初心者向けの自然観察の手順の記事『おとなの自然観察 5つの手順(初心者編)』も参考にしてみてください。