こんにちは むうさんです^^
写真集『夏は幻 Iska作品集』。
たまたま入った書店で、”夏は幻”と黒文字で書かれた、シンプルな白い背表紙に興味をもち、手にとって開いてみると、ページをめくる度に惹き込まれていきました。
そんな、せつなくなる写真集『夏は幻 Iska作品集』をレビューしていきます。
Iskaさんとは?~夏は幻~
Iskaさんは、京都にお住まいで、普段はサラリーマンとして働いているようです。
ツイッターやインスタグラムに、日日の写真を投稿されてきて、そんな写真の集大成がこの写真集。
”虫取り網とカメラ -あとがきに代えて” を、写真集の最後に書かれているのですが、
と感慨深く述べています。
”あとがきに代えて”の中では、
本名であったり、Iskaというハンドルネームの由来が書かれ、撮る写真に夏のものを多い理由(わけ)を語ってくれています。
そのわけが、また、せつなさを感じさせます。
『夏は幻 Iska作品集』の写真
全部で144ページです。
写真集というと大きな写真だけで、写真の数が少なかったりするものもありますが、この写真集では見開き2ページで1枚のものもあれば、1ページに3枚あるものなど、様々なサイズのたくさんの写真が掲載されていて、好きな写真、読者の記憶に触れる写真があると思います。
絶景の風景写真ではありません。
日常の中にある、誰もが持っている記憶に触れるような写真たち。
表紙のような、電線も写っている、ひまわりと田園風景。
駅のホーム、踏切、路地、河原からみた遠いビルたち。
日本のどこにでもある風景だけど、
なにかせつない瞬間が切りとられ、いつでも見られるわけではない風景。
そして、女性がそこにいることで、より一層せつなさが増してくる写真。
帯に”帰りたい夏がある”と書かれている通り、
私の夏の記憶を呼び覚ますような多くの写真が並んでいました。
夏の写真だけではなく、”秋は彩”、”冬は輝”、”春は永”と四季の写真が掲載されていることで、夏のせつなさを浮き上がらせます。
Iskaさんが影響をうけた「カインド・オブ・ブルー」
Iskaさんが影響を受けた写真家さんを紹介してくれています。
”本屋でタクマ クニヒロさんの青空の写真集「カインド・オブ・ブルー」と出会いました。フィルムカメラで撮られた数々の深く青い空、そして写真に添えられた言葉に感銘を受けて、「自分もこんな写真が撮りたい」「こんな世界観が作りたい」と思いました。”
と、Iskaさんは語られています。
私はすぐに、『カインド・オブ・ブルー タクマ クニヒロ』を買いました。
ビル群や飛行機の後ろにある空や、ブレのある空、これらの「写真」とそこにある「言葉」を眺めていると、
帯にある通り「あなたは今、何をしたいの? 何になりたいの?」という問いが自分の中に生まれてくるようです。
そして、写真は自由で、それでいて深いなぁと感じました。
『夏は幻』 おすすめの写真集
『夏は幻 Iska作品集』は、日本のどこにでもありそうな風景なのに、記憶に触れてくる、とてもおすすめの写真集です。是非、チェックしてみてください。
※この記事の中の” ”の部分は、『夏は幻 Iska作品集』からの引用となります。