aこんにちは むうさんです^^
写真撮影をしていると、ふと、
「写真家が、どう被写体を選び、何を考えて撮影しているのか?」
考えてしまいました。
ヒントがほしくなり、読んだのが、
『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 野寺治孝著』
です。
PERFECT=完璧な、PHOTO=写真の、RECIPES=レシピ(撮り方)、BOOK=本
という大胆なタイトルです。
そして、サブタイトルは、『空気感のある感動シーンの撮り方』。
この本、購入して正解でした。
私の目的にピッタリで、様々なジャンルの作品となるような写真も掲載されていて、次の撮影が楽しみになるような本です。
今回は、おすすめの写真本
『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 野寺治孝著』
のブックレビューです。
- 『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 野寺治孝著』の特徴
- PERFECT PHOTO RECIPES:レシピ集
- 『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 野寺治孝著』はおすすめ
『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 野寺治孝著』の特徴
写真撮影は自分の思う通り、自由に撮ればいい!
と言われますが、撮った後に写真を見た時、自分で撮影しながら、
” 何でこう撮ったんだっけ? "
ということが、私は結構あります。
自分で撮影意図がわからないなら、人に伝わるんわけないよなと。
そんなことから、
写真家が、どう被写体を選び、何を考えて撮影しているのか?
と知りたくなりました。
そんな時に出会ったのが、『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 』
1.写真家視点の実感あるノウハウが書かれている
2.クオリティの高い、様々なジャンルの写真が掲載されている
3.写真は大きなサイズで、印刷もとても綺麗
1.写真家視点の実感あるノウハウ
写真家は、そういうシチュエーションをシャッターチャンス!ととらえるんだ。
ということを教えてくれます。 撮り方の前の、被写体の見つけ方です。
シャッターチャンスをどうとらえるかが非常に大切だということは、この本を読んで感じたことです。
もちろん、レシピ=撮り方も教えてくれます。
2.クオリティの高い、様々なジャンルの写真
そして、写真家の野寺治孝が撮影したクオリティの高い写真が掲載されていることです。それも、様々なジャンルにわたった写真です。
例えば、ポートレート、家族写真、海の風景、窓辺、街中スナップ、花、インテリア、ミニマルな写真、日本の風景もあれば、海外の写真もあります。
きっと、撮りたいジャンル写真があると思いますし、私はポートレート、人物写真、花、街中スナップなど、参考になる写真がたくさんありました。
3.写真は大きなサイズ
また、
それぞれの写真は、ページ半分からページ全体と大きなサイズなので、一つひとつの写真がしっかりと訴えかけてきます。
PERFECT PHOTO RECIPES:レシピ集
本の帯に書かれているのが、
「手のうちズバリ教えます!」
です。
どんな”手のうち”を教えてくれるかというと、
1.被写体の名称(写真のタイトル)
2.レベルマーク(撮影の難易度)
3.撮影データ・機材・条件
4.撮り方
5.ポイント
1.被写体の名称(写真のタイトル)
写真集的に眺める時に、タイトルがあると、どう見ればいいのか指針となります。普通の写真本だと、タイトルがないのがほとんどなので、とってもいいです。
2.レベルマーク(撮影の難易度)
初心者、中級者、上級者、最上級者と分けて、★マークでしめされています。
参考に、上級者がどう定義されているかというと? 抜粋してみると、
【上級者】★★★☆
□被写体を見た時に即座にアングルと画角が決められる。
□テーマによってはブレやピンボケ、極端に暗い、または明るい写真が意識的に撮れる。
□明確なテーマを持って、写真展等での目的に沿った枚数が撮れる。
□一枚写真、組写真、写真展などのセレクトが的確にできる。
□好き嫌いに関係なく他者の写真の評価ができる。
だそうです。
私には、上級者への道はまだまだな感じです。
3.撮影データ・機材・条件
A‥撮影場所、B‥使用レンズ/撮影データ、C‥使用機材/準備するもの、D‥光の状態、E‥構図/アングル
となっています。
例えば、『タイトル:女性の横顔』となっている、筆者の友人である若い女性の横顔のアップの写真では、
A.千葉県・自宅のアトリエ
B.24-70mm F2.8 (70mm付近)、1/60秒、F2.8、絞り優先AE +2/3補正 ISO200
C.フルサイズデジタル一眼レフカメラ/レフ板
D.晴天の室内/窓からの斜光
E.人物を画面やや左に入れ顔の前方に空間を作る
となっています。
写真を見ると顔の正面側が明るく、手前の横顔に薄い影がかかっています。照明の感じは自然光なので、窓からの斜光と言われると納得です。
では、実際に、どう写真を撮ったのでしょうか?それが次の「4.撮り方」です。
4.撮り方
写真の撮り方のレシピとあるように、下のような項目が書かれています。
1被写体の発見
2撮影方法
3注意点
4レタッチ方法
1被写体の発見
被写体になるものを見過ごしたり、注意して見れば写真として美しく撮れるのに素通りしたり、偶然が目の前で起こっているのに気づけなかったり。
しがちな私です。
どんなシチュエーションをシャッターチャンスと筆者が捉えたのかが、わかりました。
女性の横顔の写真では、
「1.友人の女性が遊びに来たのでポートレートを撮らせてもらった。」
とあります。
色々な写真の”被写体の発見”は、とっても参考なりました。他には、
・本の露店にて本の上に猫が載っている写真:
「最初は猫のオブジェかと思った。すぐに本物だと気づいて驚いた。」
・本のページがブレた写真:
「ページがめくれた本で”風”を表現してみようと思った。」
・「知人宅で窓辺にぶら下がっていた調理器具が独特の雰囲気を醸し出していた。
・「ラグーンを撮影していたら突然犬が水に入って遊び始めた。チャンスは突然やってきた。」
・球場のマウンドを拭いている整備員の写真:
「丁寧にマウンドをならしプレートを拭く整備員の背中に野球愛を感じた。」
※「 」は本書から抜粋。
この被写体の発見を写真を眺めながら、読むだけでも、写真になる被写体をどう探すのか? 気づけるのか? が学べるので、私にとってのこの本のハイライトの一つです。
2撮影方法
主に、ピントとぼかし方、光の当て方、被写体へのリクエストやどのような位置に置いたかなどが書かれています。
女性の横顔の写真では、
「2.ピントは手前の目に、露出はプラスい補正する。モデルの女性にはレフ板を持ってもらい右下から光を返す。」
と説明されています。
写真を見ると、女性の右側の横顔の写真ですが、右下のレフ板からの光で、影が薄くなっているんだとわかりました。自然な感じなので写真として違和感はありません。
3注意点
暗くしないことや、影の濃さ、色の濃さ、周りに余計なものをいれないなどの切り取り方など、写真ごとに注意したことが書かれています。
女性の横顔の写真では、
「3.暗くしない」
となっていて、全体的にやわらかい明るさとトーンの写真になっています。
4レタッチ方法
雨の街の写真では、青をあげるとあり、色の調整のことや、彩度、コントラストの調整のことが書かれています。
女性の横顔の写真では、
「4.彩度をやや下げる」
あります。肌の色を白く綺麗にだしたいからかなと思いました。
1.被写体の名称(写真のタイトル)
2.レベルマーク(撮影の難易度)
3.撮影データ・機材・条件
4.撮り方
5.ポイント
5.ポイント
最後は、「5.ポイント」ですが、筆者がどう考えて撮影したのかを、ポイントを絞って書かれています。
女性の横顔の写真では、
「女性をきれいに撮るコツは露出をプラスに補正して肌を白く、明るく、爽やかに写すことだ。人間の顔は左右対称ではないので、よく観察して一番きれいな角度を探してから撮ろう。目線が近いと目が寄ってしまうので遠くをみてもらうとよい。」
となっていて。撮影時に参考になるコツが書かれています。
『PERFECT PHOTO RECIPES BOOK 野寺治孝著』はおすすめ
掲載されている写真が、とてもクオリティが高く、そのような高いクオリティの写真を撮るときに、写真家が何を考えているか、具体的にわかる本です。
サブタイトルに、
『空気感のある感動シーンの撮り方』
とありますが、空気感をどう表現するか、読めば読むほどわかってきそうです。
そして、写真家として、撮影する写真の幅の広さを感じます。
インスタでは、フォトグラファーの方が、その人の特徴を出すために、色味のテイストが強調され過ぎた方もいます。また、エモい写真にかたよった方もいます。
この本に載っている写真は、同じ写真家が撮影したことが伝わってきつつ、色合いは様々で、色味だけでは、この方の写真の特徴を表せません。
難しいことは何もなく、写真家の筆者が、どう考えて撮影したかを、気に入った写真を眺めながら、読んでいくだけ。
写真を眺めながら読むほど、いろいろなことがわかる本、レシピ、解説付きの写真集の趣きです。
写真を楽しみながら、何度も何度も振り返えって読める。おすすめの本です。
是非、チェックしてみてください。