こんにちは むうさんです^^
樹木の個性と生き残り戦略3部作の内、下の2つを紹介してきました。
今回紹介する、
樹木の個性と生き残り戦略 3部作の最終巻は、『アジサイは なぜ葉に アルミ毒を ためるのか 渡辺一夫著』です。
最初はガクアジサイの花を紹介し、後半は、この本のタイトルになっている『アジサイは なぜ葉に アルミ毒を ためるのか』の答えのヒントをちょっこと紹介します。
今回は、『アジサイは なぜ葉に アルミ毒を ためるのか』のブックレビューです。
▼イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか
▼アセビは羊を中毒死させる
▼アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか
樹木の生き残り戦略とは
この3部作では、樹木の生き残り戦略について、様々な切り口から書かれています。
樹木にも、人でいうところの赤ちゃん、こども、おとなというように、種子、稚樹、成木の時代があります。
その中でも、種子、稚樹の時代について、この本の中からいくつか紹介します。
種子
・地中で20年以上休眠できる樹木
発芽しても暗いと生き残れないため、明るくなったことを検知して発芽する。
・すぐに発根する樹木
地表に落ちるとすぐに発根し土から水分を吸い上げて乾燥死を防ぐ。
稚樹の成長
・日陰に耐える力が強い
暗い林の中で上の木が倒れるまで、数十年も生き延びる。
・春先に芽生え、芽生えたらすばやく生長する
春先の高木が開葉する前の1~2ヶ月は明るい
短期間であっても、高木が葉を開く前に伸長して他の植物より高さを稼げば、生き残る確率が高くなる
樹木は一度定着すると動けないので、環境に対して、如何に適応するか! そして、いかに耐えるか! が生き残りを左右します。
そして、チャンスが来た時に、一気に生長してチャンスを掴む!
人の戦略にも通じるものがあります。
▼アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか
アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのかブックレビュー
この本のタイトルになっているアジサイ。
私のイメージは、花がまん丸になっているアジサイですが、そのアジサイは園芸種です。
この本でも、アジサイではなく、ガクアジサイとして紹介されていて、
「手鞠のような花をつけるアジサイは人工的に改良された園芸品種であり、そのもととなった原種は、野生種の「ガクアジサイ」である。」というように、書かれています。
では、アジサイの原種である「ガクアジサイ」はどんな樹木なのか?というと
「ガクアジサイは、装飾花と両性花をもつ。オシベとメシベを備えた小型の「両性花」が花の中心にあり、花粉を出したり種子をつくる生殖の機能を担っている。
両性花の周りを、白や青の、大きめの「装飾花」が額縁のように縁取る。装飾花にオシベやメシベはない。彼らには生殖の役割はなく、「広告」が仕事だからだ。目立つことによって、花粉を運ぶ虫をひきつけようとしているのである。」
野生のガクアジサイは、生き残るために花を大きくしながら、様々な仕組みを作っているのです。
でもよく考えると、アジサイは樹木なの?と疑問が湧きます。全体が緑のイメージなので、私は最初は木だと思えませんでした。
ですが、この本にあるように、落葉樹で、冬になり葉っぱが落ちた姿を見ると、樹木なんだと納得させられます。
落葉樹のアジサイですが、葉っぱにアルミ毒を蓄えています。その事については、下のように書かれています。
「落葉樹は、葉を落とすサイクルが短いため、効果的に毒を排出することができるだろう。ただし、周りのほかの植物にとっては、アルミニウムが含まれたアジサイの落ち葉は、迷惑な存在かもしれない。」
果たして、
『アジサイは なぜ葉に アルミ毒を ためるのか』
このミステリーの答えは?
是非、この本を読んでみてください。
▼アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか
樹木の個性と生き残り戦略3部作はおすすめ
ご紹介した通り、樹木が様々な戦略、そして個性をもって生き残ろうとしていることを教えてくれます。
身近な樹木もたくさん載っています。例えば、『アジサイは なぜ葉にアルミ毒をためるのか』では、ヤマツツジ、ネムノキ、サザンカ、マテバシイ、モチノキなど19種類もの樹木について紹介されています。
このように、樹木の戦略をわかりやすく教えてくれる『”樹木の個性と生き残り戦略”3部作』は、とてもおすすめです。是非、チェックしてみてください。
▼イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか
▼アセビは羊を中毒死させる
▼アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか