夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイド、自然観察指導員”むうさん”による、自然体感レビューブログです

『樹木博士入門 読後レビュー』~おすすめの樹木図鑑 兼 事典 をご紹介~樹木を観察するための知識と実践例がいっぱいの、自然観察向き~

こんにちは むうさんです^^

今回は、樹木のことを少し詳しく知りたい方に、2020年3月に出版された「樹木博士入門」をご紹介します。

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樹木博士入門

“木の形とくらし”をテーマとしていて、樹木を観察するのための植物図鑑となっています。知識を蓄積するためだけではなく、観察というアクションにつながる図鑑です。

はじめに

植物図鑑というと、以前「葉っぱで見わけ五感で楽しむ 樹木図鑑」をご紹介しましたが、樹木の名前を調べるのが主目的となっていました。

樹木の名前を知ることで樹木に親しみを感じられ、他の場所の樹木も同じ種類であればわかるようになりますので、普段、観察に行くときはとても重宝する図鑑です。

今回ご紹介する「樹木博士入門」は、樹木の生きている様を豊富な写真で具体的に教えてくれます。

著作権がありますので、写真などをお見せすることはできませんが、私が撮影した写真などを混じえてご紹介します。※今回のブログの写真はすべて私が撮影したもので、書籍の写真の引用はありません。

私が購入した理由

・樹木はどのようにできているのか?
・茎や幹はどのようにできているのか?
・葉っぱのつき方には、なぜ種類があるのだろう?
・樹木は、どのように成長していくのか?
などの、樹木のなりたちを知りたいという好奇心からです。この本に出会い、写真つきで詳しく掲載されているので、嬉しくなりました。私が知る限り、一般向けでここまで詳しい本は他にはありません。本当に樹木博士というだけあります。

樹木博士入門の目次

第1章 木の形とくらし
・葉の形を観察する
・葉の交代を見る
・紅葉と落葉
・冬芽とその展開
・幹と枝
・木の茎は肥大する
・木を支える根
・花から果実へ
第2章 身近な木の観察図鑑
アカマツクロマツ
・どんぐりのなる木
・コブシとモクレンのなかま
・ウツギの名のつく木
・パイオニアとしての木
・林縁によく見る木
・林内に見る木
・……他多数の項目
第2章では、樹木の名前と特徴について、約400種類の樹木を紹介しています。

本の中身を、図鑑のトピックスを混じえながら、覗いていきましょう!

本の内容:第1章

落葉と落枝

図鑑の中では、落葉について、葉柄に離層ができて落葉します。という内容が書かれていますが、離層がどの部分なのかを写真で見せてくれています。聞くのと見るのとは大違いで、写真があると、今度自分で見てみようと思わせてくれます。

落枝については、ケヤキの落枝の写真が載っています。私も写真を撮ったことがあるので、私の写真を下に掲載します。

ケヤキの落枝

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ケヤキの落枝 葉の根元に種がついている

樹木は、種が親の木の足元で発芽しないような仕組みがいろいろとあります。どんぐりは、ネズミなどに持っていってもらって、親元から移動する。マンリョウなどの赤い実は鳥に実を食べてもらって、種を運んでもらう。

ここでご紹介するのは、ケヤキについてです。
ケヤキの場合は、種をつけた枝が葉っぱをつけたまま、落ちます。これを落枝といいます。ここで単に落ちたのであれば、足元で発芽してしまうのですが、葉っぱをつけたままの枝ですので、風が吹けば数十mなど離れた場所へ飛ばされることもあります。それを、写真つきで説明してくれています。

私の写真でも、葉っぱの根元に種がついています。

実際に、このときは親と思われるケヤキから、10メートル程度離れた場所で見つけました。ケヤキは街路樹でもありますし、公園などにも植えられていますから、ケヤキの子孫を残す仕組みが観察できます。初めてみたときは、本当だったんだ。と感動しました。自分の眼で見ると、素直に凄いなと思えるところが実体験の素晴らしさです。

クロモジの冬芽と芽吹き

クロモジの冬芽の私の撮影した写真です。クロモジの冬芽は葉芽と花芽に分かれているのですが、それが冬芽ができはじめる夏からそうなのかを観察した内容が書かれています。
下の写真の中心の尖っているのが葉芽、両側にあるのが花芽です。

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クロモジの冬芽


次の写真をみるとわかると思います。

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クロモジの芽吹き

このように、両側に花を開き始めています。葉っぱと花とで、異なる冬芽がつくられています。

木の幹は肥大する

草と樹木の違いのひとつに、樹木は幹(茎)が年々肥大して太くなり、それは死ぬまで続きます。草はある程度太くなるとそれ以上は太くなりません。それを、アオキという低木の茎の断面の写真で説明してくれています。1年目の断面、2年目、3年目以降の断面と。

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アオキ

上のような低木で、茎も緑色で硬くないですから、茎の断面を見やすいのでしょう。
この本の写真で、断面を見ると驚きました!
茎の断面は緑色なわけではなく、白と赤い色で綺麗なのです
また、樹皮(一番外側の層)~中心までのどこが肥大化しているのか、はっきりわかります。

自分で切断して観察するかは別としても、樹木の成長がどのように行われているのかが、写真で具体的に見られるのでわかりやすいです。

本の内容:第2章

アカマツクロマツ

森林セラピーでは、五感を使うときに、触れるという感覚を呼び覚ますために、よくアカマツクロマツの尖った葉を手のひらで触って痛いか?痛くないか?で違いがわかりますよ。というようなことを行います。

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アカマツ

この「樹木博士」でも、アカマツの葉はクロマツと比べてやわらかいと書かれています。

先ほどの見分け方では、アカマツの葉は手のひらで尖ったところを触ってもむず痒い感じで痛くはなく、クロマツはしっかりと痛いです。
この本の通りなんです^^

まとめ

この「樹木博士入門」のさわりの部分しかご紹介できませんでした。
機会があれば、この本の中身を実際に自分で観察してみてどうだったかをご紹介したいと思います。
この本では、樹木の葉、幹、根、花、種などのつくりなどの基本を教えてくれるのはもちろん、観察するためのいろいろな見方、情報をくれています。

この本の一番の魅力は、樹木を様々な見方で観察した写真が多数掲載されていることです。
1ページに10枚位の写真が、ところ狭しと掲載されていますが、書籍のサイズはB5で大きいので、写真を小さくは感じません。また、写真はこの本のために撮影されたものばかりのようです。

著者陣は「著者も読者も同じ観察者」との立場で、観察者の目線からこの本を作っています。』とありますので、これがこの本のすべてを物語っていると、私は思います。
樹木の観察をするにはうってつけの最高の本です。
おすすめいたします。