こんにちは むうさんです^^
おとなの自然観察 (道具編 樹木図鑑 前篇)の続きとなります。
私がフィールドで使っている樹木図鑑は、
「葉っぱで見わけ 五感で楽しむ 樹木図鑑」
とご紹介しましたが、実際に現地での使い方と、樹木の種類の網羅性についてお伝えします。
▼『樹木図鑑(林将之監修)五感で楽しめるおすすめの図鑑』
まずは、使い方からです。
葉っぱの分類について
葉っぱでわかる樹木の図鑑はたくさんあります。そこからどうやって選んだかというと、現地で調べやすいこと。これが、この図鑑の一番の売りです。
そのために葉っぱで分類して、分類された順番にページに掲載しています。ですから、同じ分類のものは連続したページにあるというわけです。
広葉樹、針葉樹 にわける
広葉樹は、不分裂葉(ケヤキなど)、分裂葉(カエデなど:下の写真)、羽状複葉(オニグルミなど)、掌状複葉(トチノキなど)に分けられています。
針葉樹は、針状様(束状)(アカマツなど)、針状葉(羽状)(モミなど)、鱗状葉(ヒノキなど)に分けられています。
落葉樹と、常緑樹 にわける
落葉樹(冬に葉を落とす)か、常緑樹(1年を通して葉がある)に分けています。
上の写真の黃葉しているトウカエデは、これから葉を落とす落葉樹です。また、モミは一年中葉っぱがあるので常緑樹となります。
葉のつきかた をわける
葉のつきかたを、互生(互い違いに葉が枝につく:下の写真)、対生(葉が枝から対になってつく:下の写真)
この4つに分けられています。これが、本の小口(めくる部分)にそれぞれ色がついているので、小口を見て、すぐに探しはじめられます。
葉の縁にギザギザがあるか、ないか でわける
葉の縁のギザギザを鋸歯(きょし)といいます。ギザギザのない葉は全縁と表記されています。この違いでわけています。
ケヤキでの例
ここからはケヤキを例に説明していきます。
たとえばケヤキであれば、「不分裂(オレンジ)、鋸歯(空色)、落葉(薄い緑)、互生(薄い茶色)」となっていて、小口(めくる部分)を見てひいていきます。
※写真は対生(濃い茶色)です。
ページを開くと、不分裂、鋸歯、落葉、互生と記載されているので、色を覚えておく必要はありません。
樹種を特定していく
つづいて、ページを開いた後の調べ方です。
樹高
観察している樹木の樹高が高いのかどうかでわけられます。ページには、アイコンのように四角で囲って「低木、小高木、高木」の内、どれなのか緑色で目立つように示されているので、ケヤキであれば背が高いので高木となりますから、ページにアイコンで示されている「高木」を探します。ここが次の段階です。
葉っぱの形
葉っぱの写真があり、丸いのか、ハートの形なのか、細長いのかがわかります。
さらに、鋸歯の形などが説明されています。たとえば、ケヤキであれば、鋸歯は曲線的な波形。とあります。
葉っぱの大きさ
写真の大きさの実際の大きさとの関係が書かれています。ホオノキの大きな葉なんて図鑑に原寸大で掲載するのは大変です。
ケヤキであれば、原寸大と書かれているので、写真そのものの大きさと観察している樹木の葉を比べればいいわけです。ちなみにホオノキの葉の写真は40%の大きさで載っています。
このあたりまでくると、だいたい判明してきます。調べてわかったら図鑑を読んでみましょう。
ケヤキでの例
ケヤキであれば、樹皮の写真もあり、さらに確信がもてるでしょう。
さらに、樹形や紅葉の色などの説明文があります。この図鑑は、単に樹木の種類が分かればいいというコンセプトではなく、説明も丁寧ですから知識も得やすいです。ケヤキであれば、竹ぼうきをひっくり返した樹形がわかるようになれば、遠くからでもわかります(前篇に写真を掲載)。また、種は枝ごと落として風にのせて飛ばす仕組みであることもわかります。
このように、
・分類された順番にページに掲載
・小口(めくる部分)にそれぞれ色がついていて、すぐに探しはじめられる
・樹高から絞って、葉っぱの写真と大きさで、特定する
となっていて、検索性が非常に高い図鑑となっています。
▼『樹木図鑑(林将之監修)五感で楽しめるおすすめの図鑑』
携帯性
A4サイズの図鑑などもありますが、ザックに入れるしかなく、現地でいちいち出すのが面倒で使いづらく、結局使わないで終わってしまいます。
それと比較して、サイズは、新書サイズ+αの縦18.3センチ、横11.7センチ、厚さ1.6センチ、重要は約400g(すべて実測値)です。
私の使っているポーチ「モンベル製 デルタガセットポーチ M」に、いい具合に入る、コンパクトサイズです。
樹種の網羅性について
たくさんの種類が載っている=高性能の図鑑、できるだけ載っていた図鑑がよい、という図式で考えがちです。もし、専門家や、長年自然観察をしていて多くの樹木を知っている方であれば、網羅性の高い図鑑がいいと思います。ただし、そういう図鑑を携帯するかどうかは別かもしれません。大きかったり、重かったりします。
私のおすすめする『葉っぱで見わけ 五感で楽しむ 樹木図鑑(林将之監修)』は、372種(葉の画像掲載種325種)を紹介しています。この372種というのはどの程度のレベルなのでしょうか。
前にも書いたことがありますが、私はある程度の規模の雑木林の樹種を調査したことがあります。その雑木林はその時点で、樹木は93種でした。その中で、上の図鑑に載っていなかったのは、バリバリノキの1種類だけでした。ですから、普通に自然観察に行ってその場でわからないことは、まずないと思いますし、私が自然観察する時も、普段困ることはありません。
実際に日本の樹木としては1300種くらいなので、372種というのは携帯性を考えると優秀だと思います。
結論としては、『葉っぱで見わけ 五感で楽しむ 樹木図鑑(林将之監修)』は、おとなの自然観察には、十分な樹種が掲載されていると思います。
いかがでしたでしょうか?
私にとっては、手放せない、いつも一緒の樹木図鑑となります。
ぜひ、自然観察のおともにどうぞ^^ 是非、チェックしてみてください。
▼『樹木図鑑(林将之監修)五感で楽しめるおすすめの図鑑』
また、樹木について、詳しく知りたい方には、『樹木博士入門(樹木図鑑&事典)』がおすすめです。
自然観察、樹木観察を前提に作られた本で、NPO法人の「自然観察大学」のメンバーがまとめた書籍です。是非、ご覧ください。