こんにちは むうさんです^^
私、むうさんは、森林セラピストです。※前編でも書きましたが…。
今回は、森林セラピーに力を入れている鳥取県智頭(ちず)町へ伺ってきました。
智頭(ちず)町は中国山地にある山間の町です。そんな自然豊かな場所で、森林セラピーの研修に参加させていただきました。
▼鳥取県智頭町の森林セラピー【前編】
その後編となります。
智頭町の森林セラピー:こもれびの森コース
智頭町の森林セラピーのコースは、大きく4つあります。
・天木森林公園コース
・こもれびの森コース
・横瀬渓谷コース
・芦津渓谷の自然歩道3コース
前回は、天木森林公園コースを歩いたところまででした。翌日に、こもれびの森コースへ行きました。
こもれびの森コースのルート
このコースは、行程は1.5kmと長くないのですが、そこそこ登るので、智頭町ではポールを使っているとのことでお借りしました。
ポールウォーキングです。
ポールがあると、歩く時に安定するのと、登る時の補助になるので、好評のようです。
森は木漏れ日に溢れていた
歩いていくと、木漏れ日と緑の葉っぱを輝かせる日の光で、目が癒されます。
森林セラピーでは、木漏れ日があるのがとても大切です。実感として木漏れ日があると、心地よく、リラックスできます。
森林セラピーの著名な先生も、木漏れ日が重要な要素だとおっしゃっていました。
なぜなんでしょうか?
木漏れ日の光のキラキラ、葉っぱの擦れる音などは、一定のリズムを刻みますが、少し揺ぎます。
そう、一定のリズムにたいして、揺らぎがあるんです。
この揺らぎが人を心地よくさせます。特に、自分の中の呼吸、心拍などのリズムと、共鳴すると、心地よく感じます。
入っていくと杉の森になってきます。
そして、杉の森からの木漏れ日が、下草に当たって輝いています。
智頭町 森林セラピーの深呼吸
森林セラピーでは深呼吸をよくします。
樹木が出している揮発成分フィトンチッドが人の体に心地よさを与えてくれるからです。また、森では葉っぱが空気を浄化してくれ、チリなども葉っぱが吸着してくれています。
そんな森の中の空気をいっぱい吸い込むと気持ちいいですし、副交感神経が優位になり、リラックスできるのです。
智頭町の森林セラピーで実践している深呼吸のやり方を教わりました。
①最初に手のひらを前に向けながら、両腕を左右に開く。両手と頭でWの形を作る。
※手のひらを前にすることで、胸を開く。
②最初に、口をすぼめて息を吐ききる。すると自然に空気が胸に入ってくるので、その感じで息を吸う。
③目をつぶって、上を向いて深呼吸を続ける。
※上を向くと、気道がストレートになって、呼吸が深くなりやすい。
この新呼吸法ですが、目をつぶって上を向くので、立ったまま深呼吸をすると、眠ってしまいそうなくらい心地いいです。
下草がある明るいスギの森
このコースを歩いて素晴らしいと思ったのが、針葉樹の森でありながら、下草が豊富なことです。
それだけ、光が入ってくる場所だということです。
登山でも針葉樹の森をよく歩きますが、下草のない茶色の土がむき出しの場所ばかりです。これだけ下草が一面グリーンの場所を見たことがありません。
それだけ整備され、明るい森なのだと思いました。
智頭町の人によって、伸びやかな自然が育まれているんだと、実感しました。
智頭町の森林セラピー:横瀬渓谷コース
鹿ロースト丼でランチ
午前の部がおわり、午後の部に入る前に、ランチです。
事前に予約していた、ロースト鹿丼をいただきます。
お店の方は若いご夫婦で、元々神奈川県の方で移住したとのこと。お店の名前は『Hunts Kitchen』でしたが、ご主人は猟をやっていて、そのお肉とのことです。智頭町では最近はイノシシは減っていて、鹿は数が増えないようにするのがやっととのことです。
今回のロースト鹿丼の鹿も、Huntされた鹿です。
醤油ベースの味付けに、ホースラディッシュ(わらびにそっくりな味)が爽やかさを演出してくれます。
鹿肉というと、ジビエカレーのように煮込んだものしか食べたことがありませんでしたが、ロースト鹿もとても美味しくいただけました。おかわりしたい感じでした。
横瀬渓谷森林セラピーロードへ
ここは、渓谷の川沿いを歩いていく、涼しげなコースです。
スギの稚樹が植えられています
道沿いには杉の木が大きくそびえたっているのですが、その中にちょこんと可愛らしく、稚樹が植えられています。次世代につなげるために、生長した木を切った後に次の木が早く育つようにするためのようです。
そして、人がちっさく見える杉並木です。
この後、川のせせらぎの音を聞きながら、川沿いで寝そべりました。心地よかった!
帰りには、域に気づかなかった大きな木がありました。
芦津渓谷セラピーロード
芦津渓谷セラピーロードコース
3日目、最後の森林セラピーのコースの芦津渓谷セラピーロードへ行きました。
下にグラフがありますが、途中にあるダムまでで100m弱登りますが、とても緩やかな道なので、ゆったりとした森林セラピーにピッタリのコースです。
紅葉の季節は、芦津渓谷に人がたくさん集まるとのことでした。
この日は、我々だけでしたので、ゆったりできました。
音いくつ
森林セラピーのアクティビティに、音いくつの言うのがあるのですが、智頭町でのやり方を教えていただきました。
目をつぶって、感覚を開いていく、研ぎ澄まさせていくのが大切です。
五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の中で、普段は視覚から入る情報が9割とほとんどが見ることで情報を得ています。ですから目を閉じることで、普段使っていない他の感覚が研ぎ澄まされます。
①目をつぶる。
②両手のひらを丸めて耳の脇につけて、前側から音を聞く。
③手の丸まった方を前後逆にして、後方からの音を聞く。※違いに気づくことで、聴覚がつかえるようになってくる。
④両手の指を広げて、顔の横に置き、音を数える。
⑤音の種類の数を、指を折りながら数える。鳥の鳴き声はひとくくりにしないで、チュンチュンとピーピーは別に数える。
⑥聞いた音を他の人とシェアする。
他の人と一緒に聞くと、多くの数の音を聞けている人がいるのでビックリします。
教えていただいたのはそれだけではなく、他の人とシェアすることの大切さです。
自分の中で、感じたことを抱えるのではなく、思い出したこと、感じたことをシェアする。そのように、人に話す、シェアすることで、澱(おり)になるのを防いで、もやもやが残らなくなるとのことです。
その場で、他の人とシェアするのって大切なことなんです。
芦津渓谷セラピーロードで溢れる生命力
どのコースもよかったですが、
この芦津セラピーロードは、倒木からの芽生え、スギの木が雪の重さに耐えて曲がっているところ、トチの大木、苔むした倒木や岩、渓流沿いの小さな草花など、森の生命力が一番感じられ、森にいるだけで元気をもらえる場所でした。
倒木から、たくさんの次世代の樹木が芽生えています。
スギの木は真っすぐ育つもの、曲がらないものと思っていましたが、環境への柔軟性もあるのです。
トチの木がたくさんあり、秋にはトチの実がたくさん落ちてくるようです。
智頭町の方が、屋久島の雰囲気に似ていて、苔が多いと言っていましたが、綺麗な苔のグリーンをたくさん見ることができました。
苔のモワっとしたグリーンの中に、少し赤茶があって、綺麗でした。
渓流沿いに、ドクダミの小さなの花が咲いていました。
智頭町の森林セラピー、そして森林セラピスト
森林セラピストとして
森林セラピーで大切なのは、頭で考えるのではなく、感じることです。
五感で感じることで”今”を感じられ、今この瞬間に意識を向けることができます。
頭で考えると、過去の出来事を悩んでいたりとか、未来の事考えたりとかになるように、頭の仕組みができていてストレスになります。
考えるのではなく、五感で感じることが大切なのです、
そこへ導くのが森林セラピストとなります。
森林セラピーをもっと知りたい方へ
森林セラピーのことを、もっと知りたい方は、下の本がおすすめです。
森林セラピストとしてトップクラスの実践経験をお持ちの方が、森林セラピーについて書かれた本です。とても具体的な内容です。是非、チェックしてみてください。
▼あたらしい森林浴 小野なぎさ著
また、この本のブックレビューを含んで、5冊の本を紹介したブックレビューの記事も書いています。是非、ご覧ください。
このブログでの森林セラピー関連の記事は下からご覧ください。