こんにちは むうさんです^^
今回は18種類のフィルムシミュレーションを搭載した、ミラーレスカメラの最新機種の『FUJIFILM X-S10』の撮影レビューです。フィルムシミュレーションを使い分けるために、撮り比べてみた<2>です。
▼FUJIFILM X-S10ボディ
<1>では、18種類のフィルムシミュレーションを搭載している3つのカメラ、X-T4、X-S10、X-T30Ⅱについてスペックなどを紹介して、フィルムシミュレーションの比較写真も紹介しました。ご覧ください。
また、『FUJIFILM 画質完全読本』というFUJIFILMのカメラのフィルムシミュレーションを含む画質全般を紹介している本がおすすめなので、是非チェックしてみてください。
フィルムシミュレーションの撮影条件
撮影モード
・モード:絞り優先モード
・ホワイトバランス:AUTO
・Jpeg撮って出し(後からの補正なし)
撮影に使ったレンズ
広角の単焦点レンズ:フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR
中望遠の単焦点レンズ:フジノンレンズ XF56mmF1.2 R
フィルムシミュレーションについて
今回は、モノクロ系、セピア系を除く9種類を比較しました。
その9種類は、
・PROVIA/スタンダード
・Velvia/ビビッド
・ASTIA/ソフト
・クラシッククローム
・PRO Neg.Hi
・PRO Neg.Std
・クラシックネガ
・ETERNA/シネマ
・ETERNAブリーチバイパス
です。 ※/の右側にどんなモードなのか簡単に説明をいれています。
撮影場所
東京の都心部、皇居の近く。
フィルムシミュレーション比較作例1
さっそく、撮り比べの一つ目の作例です。
▼PROVIA/スタンダード
▼Velvia/ビビッド
▼ASTIA/ソフト
▼クラシッククローム
▼PRO Neg.Hi
▼PRO Neg.Std
▼クラシックネガ
▼ETERNA/シネマ
▼ETERNAブリーチバイパス
写真撮影の意図としては、中央のイチョウの木の黄葉とリフレクションを主役にしながら、そのイチョウがこのようなビル街の中にある風景を伝えようとしていました。
一つひとつ、細かく比べてみて、私が気に入ったベスト3は、
No1:Velvia/ビビッド
黄葉の色を出したい、ビルも青系、黄色系、赤系、とあり、色がのっていることで、色のコントラストのある写真になる。主役の黄葉が映える写真だからです。
No2:クラシックネガ
コントラストが高く、グリーンの色も青系で濃いめ。現代ではない、昭和の雰囲気が出ている。なぜそう感じるんだろう?
Classic Chromeが醸し出す非現実というのではなく、現代ではなく昔という感覚が呼び起こされます。
No3:ASTIA/ソフト
落ち着いているが、彩度が低いわけでもなく安心な色。イチョウの黄葉の色もよく出ています。
この写真はイチョウの黄葉という主役がいたので、彩度の高いフィルムシミュレーションを、気に入りました。
フィルムシミュレーション比較作例2
撮り比べの2つ目の作例です。
▼PROVIA/スタンダード
▼Velvia/ビビッド
▼ASTIA/ソフト
▼クラシッククローム
▼PRO Neg.Hi
▼PRO Neg.Std
▼クラシックネガ
▼ETERNA/シネマ
▼ETERNAブリーチバイパス
主役は、左の紫色の花なのですが、すぐに右の白い鳥に目が行って、対になっているのに気づく。そして、見ている人は、もう一度全体を見渡す。
この対になっているのが面白いと感じての撮影ですが、ただ、それを主役にすると当たり前なので、このような構図にして撮影しました。
この写真も撮影後に、細かく比べてみて、私が気に入ったベスト3は、
No1:PRO Neg.Hi
白い鳥の左側の影や、シャドー部を見ると、黒をしっかりと締めていこうとしているような感じ。赤みが弱くて、紫色の花の色がProviaより青によっています。黒が締まっている感じと青みがかった紫色がマッチしています。
No2:ETERNAブリーチバイパス
ETERNAよりさらに彩度が低く、非現実的な世界に見える。この写真のように黒と白がはっきりと分かれている場面では結構いいかもしれないと感じました。
No3:PROVIA/スタンダード
Velviaは目が覚めるような彩度の高さ。この場面では少し高すぎました。PROVIAは、こうだっただろうという思いが表現された色でGoodです。
この写真の中で驚くのは、クラシックネガの写真です。
紫色の花が赤系に変わっています。私がこの写真を見た時のコメントは「独特の色合い。紫色の花が赤系になっています。グリーンも青みが強く、濃い緑系になっています。ですが、手前のボケの黄色系は色がしっかり乗って、彩度が出ているのがいい。」
黄色系の色は変わりませんが、紫色とグリーンは独特の色が出ていました。
フィルムシミュレーション比較作例3
撮り比べの3つ目の作例です。
▼PROVIA/スタンダード
▼Velvia/ビビッド
▼ASTIA/ソフト
▼クラシッククローム
▼PRO Neg.Hi
▼PRO Neg.Std
▼クラシックネガ
▼ETERNA/シネマ
▼ETERNAブリーチバイパス
花壇に咲いている花を綺麗だなぁと感じて気軽に撮影した感じです。
このようなシチュエーションでは、素直に綺麗な写真が撮れると嬉しいです。一方、想像していたのと思いがけない違いも驚きにつながりました。
この写真をそういう視点をメインに比べてみて、私が気に入ったベスト3は、
No1:PROVIA/スタンダード
うわっ!綺麗な花。と撮影した時に、こう写ってほしいと感じたままが撮れています。
素晴らしいです。
No2:ETERNAブリーチバイパス
ETERNAブリーチバイパスだけ2枚の写真があります。上の写真には、後ろに明るいピンク色の花が入っています。それがポイントでした。
「花の色が赤黒いのが、現実ではない感じがある一方で、後ろのボケた白とピンクの花は適度な色がでていて現実感があるという、色から感じるミスマッチ」がいいと思いました。
No3:クラシックネガ
グリーンと赤の色から懐かしさを感じます。子供のころに見たフィルム写真はこうだったのだろうか?
緑と赤が入ると、クラシックネガは独特の色合いをだします。それが刺さるときは、いい写真になるのだと思います。
フィルムシミュレーション<2>のまとめ
3枚の写真で、それぞれNo1になったフィルムシミュレーションは、
1枚目:Velvia/ビビッド
2枚目:PRO Neg.Hi
3枚目:PROVIA/スタンダード
でした。
ここまでの印象としては、PROVIA/スタンダード、Velvia/ビビッド、PRO Neg.Hi、ASTIA/ソフトが安定していて、どれかを選べば満足いく撮影ができそうです。
そこへ、クラシックネガとETERNAブリーチバイパスがあることで、アクセントのある撮影もできる感じです。
▼次回も、また違った写真でフィルムシミュレーションを比較してみます。
今、最新の18種類のフィルムシミュレーションの入ったカメラでおすすめなのは、2021年11月に発売になった『FUJIFILM X-T30Ⅱ』です。『X-S10』と同じセンサーとエンジンなので同じ画像が撮影できて、価格がX-S10より2万円以上価格が抑えられています。チェックしてみてください。
▼FUJIFILM X-T30Ⅱボディ
『FUJIFILM 画質完全読本』というFUJIFILMのカメラのフィルムシミュレーションを含む画質全般を紹介している本がおすすめなので、是非チェックしてみてください。