夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイドで茶道家、写真撮影大好きな”むうさん”による、自然体感レビューブログです

【書評】『宇治抹茶問屋4代目が教える お抹茶のすべて』抹茶の製造、歴史、美味しいレシピ集まで~おすすめの本です~ 

こんにちは むうさんです^^

茶道でお抹茶をいただきますが、お抹茶そのもののことをもっと知りたいと思い、お抹茶の本宇治抹茶問屋4代目が教える お抹茶のすべて 桑原秀樹著』を読んでみました。

お茶の生産から抹茶の製造、歴史、美味しいレシピ集まで、楽しめる本です。

最初に、私とお茶の関係をお伝えさせてください。
私は、遠州流茶道の名取(なとり)、奥之伝を終了し、宗号をいただいております。 茶道の楽しさを、お伝えできればと考えております。

今回は、『お抹茶のすべて』のブックレビューです。
※文章中『 』に囲われた部分は本書からの抜粋となります。

お抹茶のすべて 宇治抹茶問屋4代目が教える 桑原秀樹著

お抹茶のすべて はじめに

『800余年の歴史のあるわが国の抹茶ですが、不思議なことにこれまで「抹茶」、「碾茶」そのものについて書かれた書物は1冊もありませんでした。

と、「はじめに」にあるように、抹茶についての情報がまとめられている、貴重な本なんです。

お抹茶を点てる

抹茶の粉を点てると飲むお抹茶となります

お抹茶になる前の碾茶(てんちゃ)についても触れられています。

抹茶になる前の碾茶

碾茶

このブログでも、碾茶のご紹介や、お茶ミルで粉にした記事書いています。ご覧になってください。

高級そうと敷居を高く感じるお抹茶ですが、
高級な宇治抹茶でもそこまで値が張るものではありません。
と、お抹茶をすすめています。

私が思うに、
飲んでみて、お抹茶の美味しさを感じると、また、飲みたくなるものです。

私がおすすめする抹茶は、宇治抹茶「鵬雲」
木谷製茶場(京都府 宇治田原町)製のもので、味と香り、お茶のうま味が素晴らしいお抹茶です。

アイス抹茶は、ミルクも砂糖もいれずにお茶の旨味そんものが味わえる飲み物です。
私は、宇治抹茶「鵬雲」でアイス抹茶を飲んだ時に、えっ!こんな美味しいの!?と感動しました。
価格がそこまで高くなく、香りと旨味が素晴らしいお抹茶です。私は何度もリピートしています。是非試してみてください。

▼宇治抹茶「鵬雲」

敷居の高さについては、
私も、このブログでご紹介しているように、手軽に飲める道具もありますので、お抹茶を楽しんでほしいと思っています。

『お抹茶のすべて』の全貌

目次
第一章 抹茶の基本
第二章 抹茶ができるまで
第三章 京都における抹茶の歴史と推移
第四章 抹茶よもやま話
第五章 抹茶をおいしくいただく
第六章 抹茶の成分と栄養素

お抹茶について、具体的な生産などの数字や、銘柄など、お抹茶のことがよくわかる本になっています。

文章は読みやすく、近年の話題のハーゲンダッツショックなど、抹茶問屋さんならではのエピソードもあり、楽しめる本にもなっています。

第一章 抹茶の基本

抹茶とは?
覆い下栽培で、石臼で挽いたものと思われるかもしれませんが、現在ではいろいろとあるようです。

特に覆い下栽培という栽培法の発明で、抹茶は劇的に変化したとのことです。
戦国時代、千利休など茶の湯の全盛だった16世紀に発明されたようです。

『それまでは色が白く苦渋かった抹茶が、鮮やかな緑色をしたうま味のあるものになりました。』
『最初は霜の害を受けないようにと始められた覆いですが覆いをすることによって碾茶の色、味、香りが露地の碾茶に比べて非常によくなりました。』

これを読むと、なぜ?美味しくなったの?と思いますが、美味しくなった理由も書かれています。是非、ご覧になってください。

そんな覆い下栽培でつくられて、さらに石臼で挽いてつくられた抹茶は少ないようです。
茶道用で、私が上でおすすめしたお抹茶の価格であれば、いいものが手に入ります。
スーパーのものなどは、お抹茶だけで飲むと、私は物足りなく、うま味も感じません。

最初から、最高峰のお茶を購入されたい方は、茶道の各流派、裏千家、表千家、遠州流、などのお家元お好みのお茶を紹介していますので、ご覧ください。

第二章 抹茶ができるまで

この本では、
お抹茶になる茶葉の品種も詳しく紹介されていて、
『静岡在来より選抜された「やぶきた系」と宇治在来から選抜された「あさつゆ系」、「宇治品種系」の3本立て』
のようです。

この3本立てから、どう品種が広がってきたのかの系図、18の品種は写真つきで説明されています。

そんなお茶の栽培法を写真でおいながら説明され、茶摘みから石臼で挽く前までの紹介。石臼で挽きやすくするために、煎茶のように揉んで丸めずに、平べったくしておくのが特徴です。

碾茶の写真

碾茶は揉んでいないので平たい

石臼で挽くのは、必ずしも生産効率は良くなく、細かく挽くには、一つの臼で1時間に40g程度しか挽けないようです。
お抹茶は貴重ですから、その美味しさを味わわないと、と思います。

また、驚いたのは、
大正時代までは、碾茶を葉っぱの状態で売っていて、今のコーヒー豆みたいに、自分で挽いて(抹茶は石臼ですが)、お茶を点てて飲んでいたようです。
贅沢な一服ですね。

第三章 京都における抹茶の歴史と推移

第三章では、南北朝時代の栂ノ尾産がメインだった時代から、宇治がメインになっていく歴史。そして、宇治の茶師の隆盛、明治になってからの没落と、お茶の生産者の歴史が綴られます。
茶道文化の歴史は知っていても、お茶そのものの歴史は知らなかったので、興味深い内容でした。

第五章 抹茶をおいしくいただく

第五章では、抹茶問屋さんならではの、美味しい飲み方を紹介してくれています。
基本となる、薄茶(お抹茶を飲むというと通常出てくるもの)、お濃茶、冷抹茶の美味しい点て方、作り方は参考になります。
・アイス抹茶
・抹茶ソーダ
・ホワイトチョコ風味抹茶ラテ
・抹茶オーレ
・抹茶シェイク
そして、ドリンクだけでなく、抹茶のティラミスなどのスイーツのレシピも紹介されています。

それぞれのレシピに、いかに美味しく抹茶を楽しむかというコツや一工夫が入っているので、この本のレシピはおすすめしたいです。

私も抹茶ラテをつくってみました。ご覧ください。

私もまだまだ試せていないので、今後チャレンジしようと考えています。

第六章 抹茶の成分と栄養素

第六章では、抹茶はまるごとお茶の成分が摂れるので、身体に良いですとあります。

お茶は、たんぱく質、各種ビタミン、ミネラルなどが含まれていて、お茶の葉をそのまま粉にしたお抹茶は、その成分をすべていただけるのです。

私の師匠はいつも「お茶を飲んでいるから元気なのよ」と言っていて、その通り米寿を迎えた今も元気なので、本当に良いのだと思います。

お抹茶について、おすすめの本です。是非、チェックしてみてください。