こんにちは むうさんです^^
部屋の出窓で、5種類の樹木のミニ盆栽を育てています。
前回は、絶滅寸前になっているクヌギと、芽吹きずらいコナラの落葉について紹介しました。この2つの冬芽が春になって開いてくれることを期待!しています。
他の3種類、イチョウ、トウカエデ、ケヤキは、銀杏や種から芽を出して、順調に育っています。特に、イチョウの黄葉は素晴らしかったです。
今回は、順調に生長しているイチョウとトウカエデ、ケヤキの落葉と、芽吹きへの準備である冬芽について紹介します。
イチョウ
イチョウは、いつもタフ!だと紹介しますが、春の芽吹きから、新緑、黄葉、落葉と一年を通して、全てのイベントを期待通りに魅せてくれる優等生です。
黄葉も綺麗で、ミニ盆栽で黄葉のイチョウ並木をつくれるほどでした。
その綺麗な葉も、冬の訪れとともに落葉しました。
と言いたいのですが、意外と残っています。
暖冬のせいでしょうか?昨年はしっかりと葉を落としていたのですが。
クヌギのように葉を落とさずに粘っています。
多少は落ちているのですが……。
イチョウの葉っぱも枯れているというより、黄葉の色が少し抜けたという感じです。
落葉しないイチョウに若干の不安、春になっても葉っぱを出さない不安を感じますが、茎をみてみると、しっかりと冬芽があります。
タフな樹木のイチョウは、期待通りに葉っぱを出してくれるでしょう。
トウカエデ
トウカエデのミニ盆栽を始めたのは、トウカエデがミニ盆栽の初心者向けと本に書かれていたからです。確かに、丈夫さがあっていいのですが、昨年秋はうまく紅葉させられませんでした。気温が高いと紅葉させるのは難しいですね。
ただ、葉っぱは順調に落としてくれました。
やわらかい日差しが当たって落ち葉も綺麗です。
そして、カエデ類をわかる左右に対になった(対生)の冬芽もしっかりとついていますから、春の芽吹きは大丈夫そうです。
ケヤキ
ケヤキも黄葉はイマイチでした。昨秋が暖かかった影響があると思います。ですが、ケヤキも落葉は順調です。
すっかりと葉っぱのない姿を見せてくれています。
自宅の家の中でミニ盆栽をしている贅沢が、綺麗な落ち葉を見られること。土で汚れることもなく、風で傷むこともなく、綺麗な色と形を見せてくれます。
そして春への準備も万全のようです。冬芽がしっかりとついています。
暖かい春になり、イチョウ、トウカエデ、ケヤキが芽吹くのが楽しみです。
イチョウという樹木について
街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著
そんな不安はありますが、イチョウはタフな樹木のようです。イチョウのことを、『街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著』で読んでみました。
この本は、街路樹としてよく見る15種類の樹木を紹介している本です。
▼街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著
そんな『街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著』によると、イチョウは、全国でもっとも多い街路樹のようです。
確かに秋になり、そこかしこで黄色い葉っぱをたなびかせるイチョウを見かけます。
なぜイチョウが街路樹として多いのか?
では、なぜイチョウが街路樹として多いのでしょうか?
『街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著』から抜粋すると、
「都市部でイチョウがよく植えられる理由は、樹形のよさや、黄葉の美しさもあるが、なんといっても「強い」からだ。イチョウは、刈り込みや公害、病原菌や害虫に強く、踏まれることにも耐えて長寿であった。きわめて都市の街路樹に向いていたのである。」
ということから「強い」のです。イチョウは、樹木としての強さがあるのです。
私も、イチョウを植えて育てましたが、夏の酷暑でクヌギが弱ったりする状況でも、すくすくと元気なままです。
また、下の記事にあるように、銀杏の発芽率は、どんぐりや、ケヤキやカエデの種子よりも全然高いのです。
▼銀杏の発芽率などを紹介しています。
その「強さ」が、ニ憶年前から生存している樹木として、「生きた化石」と呼ばれるまでイチョウが生き残ってきた理由だと思います。
強いイチョウが野生で増えないわけ
日本には平安時代に中国から持ち込まれています。
そんなイチョウについて、
『街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著』では、下のようにも言っています。
「すでに日本に移入されてから相当の年数がたち、しかも街路樹として大量に植えられているにもかかわらず、イチョウが野生化して山野に増えたという逸出の事例はほとんどない。ギンナンを土に植えれば正常に育つので、イチョウの子孫が山野に増えない最大の理由は、種子であるギンナンを散布する動物が少ないためなのかもしれない。自然界では、個体としていくらタフであっても、子孫を残せなければ種としては絶滅に向かってしまうのだろう。」
なるほどと思いました。
ギンナンは植えれば発芽するので、イチョウの近くに子どものイチョウが生えていることを見たことはありますが、多くの街路樹はギンナンを落としてもコンクリートやアスファルトの上なので発芽できません。
鳥などがギンナンを飲み込んで飛んでいって、種のまわりの果肉を食べて、ギンナンの種子はふんで落とすという、他の樹木の実のような自然界の仕組み(エコシステム)の中にイチョウは入っていないのでしょう。
実際は、生きた化石になり自然界の仕組みから外れたイチョウを、現代では助けてくれる動物がいないのだと思われます。
自然界の輪の中から外れてしまうと、元には戻れないのかもしれません。
この『街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著』では、他にも、ケヤキ、ソメイヨシノ、ハナミズキ、コブシ、ポプラ、プラタナス、トチノキなど、15種類の街路樹について、その生き方などを紹介しています。是非チェックしてみて下さい。
▼街路樹を楽しむ15の謎 渡辺一夫著
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