こんにちは むうさんです^^
茶道をたしなんでいる関係で、お茶とはご縁があるのですが、
それこそ今回はたまたまご縁があって、
神奈川県秦野市にある、お茶の栽培農家の高梨茶園さんへ伺いました。
最初に、私とお茶の関係をお伝えさせてください。
私は、遠州流茶道の名取(なとり)、奥之伝を終了し、宗号をいただいております。
以前、お茶の栽培について、お茶農家さんの講演を聞いて、まとめた記事がありますので、そちらもご覧ください。
今回は、お茶農家さんから伺ったお茶のお話をお伝えします。
神奈川県秦野市でのお茶栽培
中に売店があり、ほうじ茶羊羮を購入したら、お茶は振る舞っていただきました。
この場所にマッチしているコースターに感動です。
お茶の栽培農家の方と直接お話しをするのは、初めてだったのですが、色々な面白いお話が聞けて、楽しく過ごさせていただきました。
神奈川県秦野市のお茶の生産
神奈川県は、お茶の生産量で全国で15~20位です。
鹿児島県と静岡県のトップ2と、ブランドとして有名な京都府と福岡県などがトップ10に入っています。
秦野市はというと、神奈川県の中では山北町についで生産量が2位の市町村となっています。神奈川県のお茶のブランドである足柄茶の生産地の一つとなっています。足柄茶の生産の本拠地の南足柄市は3位となっていますが、山北町、秦野市、南足柄市が足柄茶のメインの生産地となっているようです。
お抹茶の生産地は、なぜ少ないのか?
前から知りたいと思っていたことに、お抹茶を生産している生産地が少ないことがあります。
抹茶の原料となる碾茶を生産しているのは、京都府、鹿児島県、愛知県、静岡県、奈良県、福岡県などですが、特に、宇治抹茶の京都府と、八女茶の福岡県が有名です。
神奈川県では、銘柄として足柄茶が知られていますが、お抹茶はつくっていません。
秦野市のお茶も足柄茶のくくりになるので、お抹茶はつくっていないのかなぁと、思いながら、お抹茶を生産しているかを聞いてみました。
やはり、この茶園ではお抹茶の生産をしていないとのことです。さらに、教えていただいたのは、神奈川県では、お抹茶はつくられていないとのことです。
お抹茶は覆下栽培をしないといけないので、手間がかなりかかり、なかなか手が出せないようです。
それだけ大変な栽培を経て、お抹茶をいただいていることを感謝しないとと感じました。
お抹茶ではなく、煎茶の高級品かぶせ茶を栽培
この茶園では、一週間ほど覆いをかぶせた、かぶせ茶を高級な煎茶として栽培しているどのことです。
この覆いを2週間以上かぶせて、日光の光の量を適度な具合にすると、旨味のあるお茶ができ、玉露やお抹茶になるようです。
遮光幕をかぶせる作業が大変なので、レールのようなものを設置して、サーッとかぶせることができるようにしたのだが、費用がとてもかかって大変だったとのこと。
かぶせ茶とは、そんな手間と設備投資費用のかかった、お茶なんだと。お茶農家さんから聞いて、実感しました。
お茶の栽培は細かい気遣いから
美味しいお茶は伸び伸び育てる
福岡県にある八女茶の玉露が、お茶のコンクールで京都を抜かして、日本一のようです。
実際に八女では、どの程度お茶に日の光を与えるか、覆いとなる"わら"のかけ方を、農家の方が、手作業で、お茶の様子や天候を見ながら細かく調整しているようです。
八女の覆下栽培の技術が日本一だと言っていました。
さらには、美味しい玉露やお抹茶をつくるには、お茶の木にストレスをかけないことが大切で、お茶の木が伸びたいように、枝を伸ばした栽培をしているようです。
そういうように、のびのびと育てられたお茶は、美味しいのだそうです。
なら、どのお茶農家でもやればいいじゃないかと思いますが。お茶となる葉っぱの新芽が、あっちこっちに出るので、機械で摘むことができず、手摘みになるので、お茶農家として、おいそれと手が出せないとのこと。
宇治や、八女など、長い間、生産した歴史と、さらに設備への投資としてきて、栽培技術を磨いて、今があるのだと、お話から伝わって来ました。
玉露やお抹茶などは、覆下栽培の高い技術を必要とするものなので、特産の地域があり、他の地域は参入できないのだと思います。
抹茶や茶道にご興味があれば、↓下のブックレビューをご覧ください。茶道のやわらかな世界に触れることができます。
お茶の木は、なぜ花を咲かせないのか?
以前から知りたかった、お茶農家さんが、お茶の花を咲かせないことについて、質問しました。
すると、花を咲かせると、余計な栄養が花にいってしまうので咲かせないようにするとのことでした。
花を咲かせないために、お茶の木を日々観察して、ストレスのかからないようにするようです。
お茶の木は、ストレスがかかると、生命への危機と考えて、花を咲かせ種をつくり、子孫を残そうとするのだそうです。
お茶の木、一本一本を観て、状態を把握して、適切な処置をしているとのことです。
手間のかかることをしているから、美味しいお茶が作れるのだとおっしゃっていました。
花を咲かせている茶園があったら、農家がサボっているとすぐにわかります。それは、お茶農家の恥ですから、とも話していました。
八十八夜の頃に再訪したいと考えています
そんな、お茶農家の方の話しの中でも力が入っていたのが、立春から数えて八十八夜のことです。お茶を摘む最盛期、5月2日が八十八夜、そこから20日間がお茶の新芽を摘んで、お茶を生産する繁忙期です。
お茶農家の方が、すっごく強調していたのが、新茶を蒸す香りが素晴らしいこと。
ここの茶園では、新茶を飲む蒸す香りが立ち込めるようです。
茶畑の隣には、摘んだお茶の葉っぱから、お茶をつくるための設備があり、新茶の季節はフル稼働のようです。
その季節だけの香りを楽しみたいので、
GWの後半に、この茶園に伺って、お茶の芳香包ませながら、茶園にあるお店で、ほうじ茶のジェラートを買って食べようと考えています。
今から、楽しみです。