夢うさんブログ ~自然が好き~

森林セラピーガイドで茶道家、写真撮影大好きな”むうさん”による、自然体感レビューブログです

鳥取県智頭町の森林セラピー~自然豊かな森で、心地よく癒されました~【後編】

こんにちは むうさんです^^

私、むうさんは、森林セラピストです。※前編でも書きましたが…。

今回は、森林セラピーに力を入れている鳥取県智頭(ちず)町へ伺ってきました。

智頭(ちず)町は中国山地にある山間の町です。そんな自然豊かな場所で、森林セラピーの研修に参加させていただきました。

▼鳥取県智頭町の森林セラピー【前編】

その後編となります。

智頭町の森林セラピー:こもれびの森コース

智頭町の森林セラピーのコースは、大きく4つあります。

智頭町の森林セラピーコース

・天木森林公園コース

・こもれびの森コース

・横瀬渓谷コース

・芦津渓谷の自然歩道3コース

前回は、天木森林公園コースを歩いたところまででした。翌日に、こもれびの森コースへ行きました。

こもれびの森コースのルート

智頭町 こもれびの森コース

智頭町 こもれびの森コース

このコースは、行程は1.5kmと長くないのですが、そこそこ登るので、智頭町ではポールを使っているとのことでお借りしました。

ポールウォーキングです。

ポールがあると、歩く時に安定するのと、登る時の補助になるので、好評のようです。

森は木漏れ日に溢れていた

歩いていくと、木漏れ日と緑の葉っぱを輝かせる日の光で、目が癒されます。

智頭町 こもれびの森コース

智頭町 こもれびの森コース

森林セラピーでは、木漏れ日があるのがとても大切です。実感として木漏れ日があると、心地よく、リラックスできます。
森林セラピーの著名な先生も、木漏れ日が重要な要素だとおっしゃっていました。

なぜなんでしょうか?

木漏れ日の光のキラキラ、葉っぱの擦れる音などは、一定のリズムを刻みますが、少し揺ぎます。
そう、一定のリズムにたいして、揺らぎがあるんです。

この揺らぎが人を心地よくさせます。特に、自分の中の呼吸、心拍などのリズムと、共鳴すると、心地よく感じます。

智頭町 こもれびの森コースの天まで昇る杉の森

天まで昇る杉の森です。

入っていくと杉の森になってきます。
そして、杉の森からの木漏れ日が、下草に当たって輝いています。

智頭町 森林セラピーの深呼吸

森林セラピーでは深呼吸をよくします。

樹木が出している揮発成分フィトンチッドが人の体に心地よさを与えてくれるからです。また、森では葉っぱが空気を浄化してくれ、チリなども葉っぱが吸着してくれています。

そんな森の中の空気をいっぱい吸い込むと気持ちいいですし、副交感神経が優位になり、リラックスできるのです。

智頭町の森林セラピーで実践している深呼吸のやり方を教わりました。

智頭町の深呼吸のしかた

①最初に手のひらを前に向けながら、両腕を左右に開く。両手と頭でWの形を作る。
※手のひらを前にすることで、胸を開く。

②最初に、口をすぼめて息を吐ききる。すると自然に空気が胸に入ってくるので、その感じで息を吸う。

③目をつぶって、上を向いて深呼吸を続ける。
※上を向くと、気道がストレートになって、呼吸が深くなりやすい。

この新呼吸法ですが、目をつぶって上を向くので、立ったまま深呼吸をすると、眠ってしまいそうなくらい心地いいです。 

下草がある明るいスギの森

このコースを歩いて素晴らしいと思ったのが、針葉樹の森でありながら、下草が豊富なことです。
それだけ、光が入ってくる場所だということです。

智頭町 森林セラピー こもれびコースの明るい杉の森

下草がある明るいスギの森

登山でも針葉樹の森をよく歩きますが、下草のない茶色の土がむき出しの場所ばかりです。これだけ下草が一面グリーンの場所を見たことがありません。

それだけ整備され、明るい森なのだと思いました。

智頭町の人によって、伸びやかな自然が育まれているんだと、実感しました。

智頭町 森林セラピー 木漏れ日コースの輝くスギの森

下草が輝くスギの森

智頭町の森林セラピー:横瀬渓谷コース

鹿ロースト丼でランチ

午前の部がおわり、午後の部に入る前に、ランチです。

クッキングカーが来ていました

キッチンカーが来ていました

事前に予約していた、ロースト鹿丼をいただきます。

お店の方は若いご夫婦で、元々神奈川県の方で移住したとのこと。お店の名前は『Hunts Kitchen』でしたが、ご主人は猟をやっていて、そのお肉とのことです。智頭町では最近はイノシシは減っていて、鹿は数が増えないようにするのがやっととのことです。

今回のロースト鹿丼の鹿も、Huntされた鹿です。

ロースト鹿丼

ロースト鹿丼

ロースト鹿丼

ロースト鹿丼

醤油ベースの味付けに、ホースラディッシュ(わらびにそっくりな味)が爽やかさを演出してくれます。

鹿肉というと、ジビエカレーのように煮込んだものしか食べたことがありませんでしたが、ロースト鹿もとても美味しくいただけました。おかわりしたい感じでした。

横瀬渓谷森林セラピーロードへ

横瀬渓谷コースマップ

横瀬渓谷コースマップ

ここは、渓谷の川沿いを歩いていく、涼しげなコースです。

横瀬渓谷コースは川沿いを歩きます

横瀬渓谷コースは川沿いを歩きます

スギの稚樹が植えられています

道沿いには杉の木が大きくそびえたっているのですが、その中にちょこんと可愛らしく、稚樹が植えられています。次世代につなげるために、生長した木を切った後に次の木が早く育つようにするためのようです。

ちょこんと可愛らしく、稚樹が植えられています

ちょこんと可愛らしく、稚樹が植えられています

そして、人がちっさく見える杉並木です。

杉並木

杉並木(下の方に2人ほど人が写っています)

この後、川のせせらぎの音を聞きながら、川沿いで寝そべりました。心地よかった!

帰りには、域に気づかなかった大きな木がありました。

横瀬渓谷コースは川沿いを歩きます

横瀬渓谷コースの立派な木

芦津渓谷セラピーロード

芦津渓谷セラピーロードコース

3日目、最後の森林セラピーのコースの芦津渓谷セラピーロードへ行きました。

芦津渓谷セラピーロード

芦津渓谷セラピーロード

下にグラフがありますが、途中にあるダムまでで100m弱登りますが、とても緩やかな道なので、ゆったりとした森林セラピーにピッタリのコースです。

芦津渓谷は紅葉の名所

芦津渓谷は紅葉の名所

紅葉の季節は、芦津渓谷に人がたくさん集まるとのことでした。
この日は、我々だけでしたので、ゆったりできました。

音いくつ

森林セラピーのアクティビティに、音いくつの言うのがあるのですが、智頭町でのやり方を教えていただきました。

芦津渓谷セラピーロードコース

芦津渓谷セラピーロードコース

目をつぶって、感覚を開いていく、研ぎ澄まさせていくのが大切です。
五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の中で、普段は視覚から入る情報が9割とほとんどが見ることで情報を得ています。ですから目を閉じることで、普段使っていない他の感覚が研ぎ澄まされます。

智頭町の音いくつ

①目をつぶる。

②両手のひらを丸めて耳の脇につけて、前側から音を聞く。

③手の丸まった方を前後逆にして、後方からの音を聞く。※違いに気づくことで、聴覚がつかえるようになってくる。

④両手の指を広げて、顔の横に置き、音を数える。

⑤音の種類の数を、指を折りながら数える。鳥の鳴き声はひとくくりにしないで、チュンチュンとピーピーは別に数える。

⑥聞いた音を他の人とシェアする。

他の人と一緒に聞くと、多くの数の音を聞けている人がいるのでビックリします。

教えていただいたのはそれだけではなく、他の人とシェアすることの大切さです。

自分の中で、感じたことを抱えるのではなく、思い出したこと、感じたことをシェアする。そのように、人に話す、シェアすることで、澱(おり)になるのを防いで、もやもやが残らなくなるとのことです。

その場で、他の人とシェアするのって大切なことなんです。

芦津渓谷セラピーロードで溢れる生命力

どのコースもよかったですが、
この芦津セラピーロードは、倒木からの芽生え、スギの木が雪の重さに耐えて曲がっているところ、トチの大木、苔むした倒木や岩、渓流沿いの小さな草花など、森の生命力が一番感じられ、森にいるだけで元気をもらえる場所でした。

倒木から、たくさんの次世代の樹木が芽生えています。

芦津渓谷セラピーロード 倒木からの芽生え

芦津渓谷セラピーロード 倒木からの芽生え

スギの木は真っすぐ育つもの、曲がらないものと思っていましたが、環境への柔軟性もあるのです。

芦津渓谷セラピーロード 雪の重みで曲がるスギ

芦津渓谷セラピーロード 雪の重みで曲がるスギ

トチの木がたくさんあり、秋にはトチの実がたくさん落ちてくるようです。

芦津渓谷セラピーロード トチの大木

芦津渓谷セラピーロード トチの大木

芦津セラピーロードのそびえる大木

芦津セラピーロードのそびえる大木

智頭町の方が、屋久島の雰囲気に似ていて、苔が多いと言っていましたが、綺麗な苔のグリーンをたくさん見ることができました。

倒木に苔と、小さな芽生え

倒木に苔と、小さな芽生え

苔のモワっとしたグリーンの中に、少し赤茶があって、綺麗でした。

苔のグリーンと赤茶

苔のグリーンと赤茶

渓流沿いに、ドクダミの小さなの花が咲いていました。

芦津渓谷 ドクダミの小さなの花

ドクダミの小さなの花

智頭町の森林セラピー、そして森林セラピスト

森林セラピストとして

森林セラピーで大切なのは、頭で考えるのではなく、感じることです。

五感で感じることで”今”を感じられ、今この瞬間に意識を向けることができます。

頭で考えると、過去の出来事を悩んでいたりとか、未来の事考えたりとかになるように、頭の仕組みができていてストレスになります。

考えるのではなく、五感で感じることが大切なのです、
そこへ導くのが森林セラピストとなります。

森林セラピーをもっと知りたい方へ

森林セラピーのことを、もっと知りたい方は、下の本がおすすめです。

森林セラピストとしてトップクラスの実践経験をお持ちの方が、森林セラピーについて書かれた本です。とても具体的な内容です。是非、チェックしてみてください。

▼あたらしい森林浴 小野なぎさ著

また、この本のブックレビューを含んで、5冊の本を紹介したブックレビューの記事も書いています。是非、ご覧ください。

このブログでの森林セラピー関連の記事は下からご覧ください。

鳥取県智頭町の森林セラピー~自然豊かな森で、心地よく癒されました~【前編】

こんにちは むうさんです^^

私、むうさんは、森林セラピストです。

いくつかの拠点で森林セラピーをガイドしているのですが、その中でも縁がありお世話になっている鳥取県智頭(ちず)町へ伺ってきました。

森林セラピーの研修として、
鳥取県智頭(ちず)町で現地のガイドさんに説明をいただきながら、森林セラピーロードを2泊3日の日程で歩く機会をいただきました。

鳥取県智頭町

鳥取県智頭町

夜の宿泊は、民泊(一般の農家の家に泊まる)あり、ゲストハウス(智頭町:楽之)ありで、智頭(ちず)町のお話を聞きながら過ごすこともできました。

今回は、智頭町での森林セラピーについて、ご紹介します。

森林セラピーとは?

運営はどこが?

NPO法人 森林セラピーソサエティが、
森林セラピーを実施するのにふさわしい森ですと、森林セラピー基地の認定を行います。

さらに、
その森林セラピー基地でガイドをする、
森林セラピスト、森林セラピーガイドの資格認定も、NPO法人 森林セラピーソサエティが運営しています。

ただし、NPO法人 森林セラピーソサエティは、大きな団体ではなく、スタッフも少なく小さな団体ではあります。

智頭町の森林セラピーロード 芦津渓谷

智頭町の森林セラピーロード 芦津渓谷

ホームページから抜粋すると、”林野庁・(独)森林総合研究所・森林医学研究会の連携・協力・助言のもと”として進めているようです。

ですから、林野庁の政策の中では、
「森林を木を売るために育てる」という従来からの林業政策ではなく、
「山村地域における森林サービス産業の育成」という位置づけになっています。

智頭町の森林セラピーロード 横瀬渓谷

智頭町の森林セラピーロード 横瀬渓谷

となると、地方の森にしか森林セラピー基地や、セラピーロードがないのかというと、そうではないのです。

全国に65もの森が森林セラピーに適した森として認定されていて、
東京で2つ神奈川は5つ埼玉と千葉は1つずつ
と首都圏にも認定された森があります。

首都圏の人にも身近なところにあるのです。

▼全国の認定の森はこちらからご覧ください。是非、一度足を運んでみてください。

全国65の認定の森:森林セラピーソサエティ

森林セラピーの効果

森林浴をすると気持ちいいと感じませんか。
森林浴までできなくても、自然の中を歩くとなぜか気持ちよくなっていると思います。

智頭町の森林セラピーロード 芦津渓谷

智頭町の森林セラピーロード 芦津渓谷

その時に、どんな効果がでているのでしょうか?
森林セラピーは、森林浴を研究し科学的な証拠に裏付けされたものなんです。

研究により分かったこととして、森林セラピーでは、下のような効果があります。

特徴

・リラックス効果をもたらします

・自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整えます

免疫機能を高めます

・森林散策などによる運動により健康増進させます

これら効果について、
また、森林セラピーについては、下の記事で詳しく書いていますので、是非ご覧になってください。

智頭町での森林セラピー:天木森林公園コース

智頭町には、4つの森林セラピーロードがあります。
詳しくは下のリンク先をご覧ください。 

智頭町セラピーロードマップ(智頭町のホームページ)

最初に行ったのが、”天木森林公園コース”でしたので、そこからご紹介します。

天木森林公園コースマップ

森林散策といっても、かなり歩くのでは?

と、普段歩いていない方は不安を感じるかもしれませんが、2km前後のコースが多くなっています。単に歩くだけなら、人の歩く速さは時速5kmなので、歩いて20分程度の距離となります。

森林セラピーでは、このコースをゆったりと、様々なアクティビティをしながら2時間かけて、癒しを感じながら、歩きます

また、アスファルトの道を歩くのと違って、森の中では土の上を歩くことが多いので、足への負担も少なく、自然の中を歩く心地よさも相まって、普段以上に楽に歩けると思います。

智頭町の森林セラピーロード 天木森林公園コース

智頭町の森林セラピーロード 天木森林公園コース

この天木森林公園コースも、
約2kmと標準的なコースの長さで、アップダウンはありますが、とても歩きやすいコースでした。

”わらびの草原”に迎えられるコース

このコースの一つ目の特徴は、歩き始めて最初にわらびの草原”に出会うことです。

智頭町 天木森林コースのわらびの草原

天木森林コースのわらびの草原

森林セラピーっぽくない表現ですが、圧巻の景色です。

わらびは、春先に食べる山菜の”わらび”のことです。春先に食べるのは新芽ですが、あの”わらび”が生長すると、こんなにも大きくなります。

天木森林コースのわらびの草原のさわやかなグリーン

わらびの草原のさわやかなグリーンが風でたなびく

この”わらびの草原”の爽やかなグリーンが、風でたなびくのを見ると癒されます。人というのは、自然の持つ”揺らぎ”成分を感じると、癒されることが分かっています。

どういうことかというと、
一定のリズムではなく、そのリズムが少し崩れて揺らぐ時に癒しを感じるのです。

部屋の中で快適なはずのエアコンよりも、少し暑くても外の風を感じたくなる、そんなときの心地よさが、森ではあらゆるところで感じられます。 

針葉樹が迎えてくれる森

智頭町は、林業も行われている町ですから、植えられている樹木は、スギ、ヒノキなど針葉樹が多かったです。

智頭町 天木森林公園コースは針葉樹の森

智頭町 天木森林公園コースは針葉樹の森

針葉樹(スギ、ヒノキなど)の森、広葉樹(コナラ、ケヤキ、モミジなど)の森のどちらとも、森林セラピーにとっては、それぞれ特徴があります。

針葉樹の森は、人をリラックスさせるフィトンチッドという樹木からの揮発成分が多いのが特徴で、香りがとても心地よいです。

森の中で寝そべる心地よさ

森林セラピーのアクティビティーの中に、森の中にマットやシート、ハンモックなどを木にかけて寝そべります。

今回は、自分の気に入った木の根元にシートを敷いて、気を見上げました。

智頭町 天木森林公園コースは針葉樹の森で上を見上げる

上を見上げると

杉がまっすぐに伸びています。
ところどころに、曲がりそうになった痕があり、杉も頑張って、苦労しながら、それでもまっすぐ進んでいるんだと感じます。

そんな感じで、ぼんやりと見上げていると……。

智頭町 天木森林公園コースは針葉樹の森 でまどろんだ時の見え方

まどろんできまし~た~~

まどろんできました~
ふ~~

森林セラピーは心地よい

森林セラピストでガイドする側ですが、森林セラピーをガイドしてもらうのも大好きだったりします。 

他の人に、心地よいところへ導かれるのって贅沢な感じがしますし、
~自然が好き~
だからです。

智頭町 森林セラピー えごのきの実が、可愛く並んでいます

えごのきの実が、可愛く並んでいました

森林セラピーのことを、もっと知りたい方は、下の本がおすすめです。

森林セラピストとしてトップクラスの実践経験をお持ちの方が、森林セラピーについて書かれた本です。とても具体的な内容です。是非、チェックしてみてください。

▼あたらしい森林浴 小野なぎさ著

また、この本のブックレビューを含んで、5冊の本を紹介したブックレビューの記事も書いています。是非、ご覧ください。

後編では、智頭町の森林セラピーロードを写真で紹介しています。是非、ご覧ください。

▼鳥取県智頭町の森林セラピー~自然豊かな森で、心地よく癒されました~【前編】

【ブックレビュー/書評】『シェアリングネイチャー/ネイチャーゲーム』~ジョセフ・コーネル著~自然をわかちあう

こんにちは むうさんです^^

私は、プロフィールにあるように、会社員として働きながら、森林セラピーのガイドをしています。
森林セラピーのガイドをしているのは、自然が好きで、自分自身も自然に癒やされているので、それを他の方にも体感していただきたいからです。

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森林セラピーでゆったりとする贅沢


6月、7月と森林セラピーを実施してきました。
毎回、少しずつ変化を加えながら、自分の目指す森林セラピーができるようになりたいと思っています。

私の目指す森林セラピーとは、自然との一体感を感じてもらうこと。

そのために、他の自然を対象にしたアクティビティについても調べたり、体験したり、講習を受けたりしています。

今回は、自然を対象にしたアクティビティとしてよく知られている「ネイチャーゲーム」についてです。

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「ネイチャーゲーム」の考え方と、アクティビティについて、詳しく説明してくれている『シェアリングネイチャー ジョセフ・コーネル著をベースに、講習で受講したことを含めて、ご紹介していきます。

 

シェアリングネイチャー、ネイチャーゲーム

ネイチャーゲームは、自然の楽しさを分かち合うというのが、考え方のベースとなっていて、参加者で自然から感じることをシェア(共有)することで、自然から多くの体験をしようということのようです。

自然の中にいるときに、自分一人では気づけず、他の人とシェアして初めて気づく感覚が実際にあるので、素晴らしいと思います。

アメリカ人の北カルフォルニア出身のナチュラリストであるジョセフ・コーネルさんが始めたもので、日本に入ってきた時はネイチャーゲームのブームになったようです。ネイチャーゲームは現在、日本各地で、行われています。

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自然から感じることをシェアする

自然から感じることをシェアする

私も森林セラピー仲間から、ネイチャーゲームの話を聞き、自分の森林セラピーに取り入れられるものはないかと、講習を受講しました。

講習は3日間に渡り、ネイチャーゲームのアクティビティを講師の方から24個も体験させてもらいながら、そのアクティビティのコツを学びました。


そのエッセンスと具体的なアクティビティが紹介されているのが、『シェアリングネイチャー 自然のよろこびをわかちあおう』です。

実際に、 73のアクティビティが載っていて、それらについて、この本で説明されています。


例えば、自然のある公園(東京だと、代々木公園等々力渓谷など)の中を散策して、自然はいいなぁと感じた時、誰かとその感じたことを共有したいと思ったりするかもしれません。
その楽しさをどう人に伝えるか、そんなことも、教えてくれます。

↓代々木公園の紹介(原宿にある 自然豊かな公園)
www.muu0san.com


↓等々力渓谷の紹介(23区 唯一の渓谷)
www.muu0san.com

そして、自然の中に入っていきたい、このアクティビティを自然の中でやってみたいなぁと、感じたから、自然のあるところへ行くことが大切です。
紹介されている多くのアクティビティは、道具も不要で、誰もが簡単にできることだからです。

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自然の中へ

 

ネイチャーゲームのアクティビティ

考え方ではなく、自然を体験する具体的なアクティビティが豊富です。
例えば、
『同じものを見つけよう』というアクティビティがあります。


どんなアクティビティかというと、ネイチャーゲームリーダーが参加者の方へ、
どんぐりがありました。これと同じものを見つけてくれませんか?と言って探してもらいます。


参加者の方は、ここで何をやるんだろう?と思いつつ、自然の中に入っても都市モードのままで、自然の中に何があるか、自然がどういう状態か気づけない方もいらっしゃいます。

ところが、こんな簡単な問いかけで、参加者の方は、足元を見始め、意外とたくさんどんぐりが落ちていることに気づき、そのどんぐりもいくつかの種類のものが落ちているのだと発見したりします。

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どんぐりから、自然を感じる感覚へ

さらに、どんぐりが、枝についたまま落ちているもの、どんぐりの帽子だけ、樹木にまだどんぐりが残っていることに気づきます。
するとさらに広がって、色づき始めた山桜の葉、ケヤキなどの枝についたままの種なども見つけられるようになります。

こんな簡単な問いかけをネイチャーゲームのリーダーがすることで、
参加者の方は自然を感じる感覚
人が元々持っている感覚を引き出せるのです。


そうして参加者は、集めてきたものへの親しみが湧きはじめ、その集めた自然のものを皆でシェアすると、楽しさがふくらんできます。

簡単なアクティビティですよね。
参加者が自然を体験し、楽しめるきっかけをネイチャーゲームリーダーはつくっただけで、主役は参加者なのです。

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自然での気づき

 

自然を体感するステップ ネイチャーゲーム

ネイチャーゲームでは、頭で考えるのではなく感じることを大切にしています。

まさに、森林セラピーと同じです。
知識ではなく、感じること。だから、誰でも楽しめます。

一人でもいいですし、友人や家族と一緒に楽しんでもいいです。きっと、こんな感覚になるんだ!と、驚きと発見があると思います。

ただ、
都市モードのまま、自然の中に入って行っても、心も体も自然の中にサッと馴染んでは行きません。

講習やこの本で一番良いなと思ってのが、参加者を自然の中へのいざなうメソッド、ネイチャーゲームではフローラーニングと呼ばれる手法です。

これにより、都市モードから、リラックスして自然を楽しむことができるように、スムーズに移行していけるのです。

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美しい新緑に包まれていることを感じてくる

 

《フローラーニング》

フローラーニングは、4つの段階に分けて説明されています。
①夢中になる感覚を呼び覚ます
②感覚を研ぎすます
③素直に自然を感じる
④自然への気づきをわかちあう

それぞれの段階に合わせたアクティビティがあり、この本でも、フローラーニングの順にアクティビティが紹介されています。
先ほどの、どんぐりのアクティビティは、①の段階のアクティビティです。


ネイチャーゲームリーダーは、
参加者の心の流れ、自然への溶け込み方を見ながら、今はどの段階のアクティビティをすると良いかと、自分の引き出しを探りながらプログラムを考えるのです。

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季節にあったアクティビティとフローラーニング

 

音を数える

講習の時に私が印象深かったアクティビティは、「音を数える」でした。

どんなアクティビティかというと、座って目をつぶり、周囲の音を聞いていきます。そして、何種類のどんな音が聞こえたか、を数えます。

最初は音が耳に入ってこないのですが、次第に何種類もの音が聞こえてきました。
いったん数えたあと、どんな種類の音が聞こえたか、他の参加者とシェアしました。

すると、他の方が何かが落ちた音がしました。と言いました。一度目は、同じ場所にいながら、私は気づいていませんでした。

ですが、もう一度目をつぶり、音を聞くと、木の実が落ちた音が聞こえたのです。
そして、その瞬間、頭の中で、自然/森の循環が見えて、自然との一体感を感じたのです。
鳥肌がたちました。


まさに、私が目指している森林セラピー自然との一体感でした。


普段はゆったりと、それも目をつぶって視覚からの情報をカットして、音だけを聞くなんて事はしません。
この時は、本当に自然の中に入って行く、自然と一体となるような感覚が体験ができました。

 

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自然との一体感で見えてくる花々

 

この音を数えるは、フローラーニングで②の段階です。
ある程度、自然に溶け込み始めている段階になっていないと、あのような体験はできなかっただろうと思います。

ネイチャーゲームのリーダーがその前に①の段階のアクティビティで参加者のわたしの感覚が自然の方を向くようにしてくれていたのでした。

そのような適切な進め方が、導いてくれたのだと思います。
フローラーニングという考え方と具体的な手法は素晴らしいです。

シェアリングネイチャー、ネイチャーゲームのまとめ

シェアリングネイチャー、ネイチャーゲーム。
そして、それをしっかりと説明してくれているシェアリングネイチャー ジョセフ・コーネル著
この本は、①の段階の簡単なアクティビティから、自然の中の生態系の仕組みを体感していけるようなアクティビティまで、豊富に載っています。

そんなおすすめの本です。是非、チェックしてみて下さい。

 

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【心和む】「森と共に、歩む日々。」ブックレビュー~森林浴~森林セラピー~森の空気感を味わおう

こんにちは むうさんです^^

今回は、以前ご紹介した
『森のように生きる(森に身をゆだねて、感じる力を取り戻す)』
の森のリトリートの実践編です。
www.muu0san.com

『森と共に、歩む日々。』
本の中で、森の中を歩いているかのような気持ちにさせてくれる本です。
 

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森の四季を味わいたかったり、
心に荷物を持っていたり、
平日突っ走ってきて週末に癒やされたかったり、
頭の中に湧いてくるものを一旦クリアにしたい……、

そんな時に読んでいただきたい本です。

 読むと得られること 
仕事で疲れたとき、
アイデアに煮詰まって、新しいアイデアがほしいとき
自然を感じたいとき、
森にいるような気分で、頭がクリアになります。

 


森ならではの写真と短い文章に引き込まれていきます。

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森林浴~森の空気感~非日常へ

私は平日は都市モードですので、森林セラピーの下見や、ソロ(一人で)登山をする時に、日常の感覚のまま自然の中入っていくと、最初は違和感があり、馴染むことがすぐにはできません。

この本にあるように、
手つかずの森のような贅沢な場所へは、なかなか行けませんが、

「森との境界線を、徐々に超えていきます。」

という感覚は味わうと癖になります。
突然、自然、木々や野鳥、などなどの溢れんばかりの生命に包まれた感じる瞬間がきて、別の世界に入ったような感覚になれるんです。

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この本の大きな目的は、季節ごとに変わる森の様子を、写真とともに伝えることで、少しでも先ほどの境界線を超える感覚を、体感してほしい、させたい、そんな優しさにつつまれた本です。

最初に読み方、眺め方の説明の部分で、
8ページより引用
「〈森を歩くにあたって〉

この本は、四季折々の森を歩くような感覚を味わえるように、その時季の写真と、言葉・問いで構成されています。

森に入ったことがある方は、その時の感覚を思い出し、日常においても森が感じられるように。

森に入ったことの無い方は、それぞれの季節の森がどんな表情を見せてくれるのか、色合い豊かに想像できるように。」
とあります。

では、その一部を体感していきましょう。

 

四季の森~森林浴~森林セラピー

二十四節気の立春、雨水、…と春からスタートし、
毎ページに写真で森の芽生えなどのミクロな世界から大きな森の姿を映し出し、夏、秋から冬までの順で、季節の移ろいを見せてくれます。

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そして1年をこの本の中で過ごした後、
最後に暖炉のある山小屋に戻って来るという構成です。


モミの芽生えの写真から始まります。写真の大きさは、見開き半ページに、周りに余白を作りながらも、そのまま使いますので、森を感じるには十分なサイズです。

そして、まだ木が芽吹く前に、ふきのとうが、土から芽生えてきます。

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芽を出す ふきのとう

木々が、まだ色の薄い若葉に包まれる頃に、野鳥が枝で休んでいます。

「森の中では、
すべての存在がつながりあっています。」

そうなんです。
生きているものの中に、生命力を感じると、なぜか気持ちが元気になってくるのです。

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それを感じるコツは、
日常モードよりもゆっくりとし、
スピードを落とすことと書かれています。

歩くスピード、呼吸、を普段より少しだけゆっくりとすると、
普段感じられないような、花の香り、緑の鮮やかさ、土の匂いなどが感じられてくるとあります。

ゆったりと快適に歩く。
私は森林セラピーはもちろん、普段も歩くための靴は、これ!と決めています。
ミズノの『LD40』、ミズノウエーブが足を優しく労ってくれ、クッション性と足首の安定性を両立させています。
私が実践した限り、ウォーキングシューズとして最高です。チェックしてみてください。

 


森林セラピーでも、ゆっくりすることで、五感が目覚めてくることが体験できますので、その通りなんです。

私も仕事が忙しく、ストレスフルになると、買い物かごの中に買った物を忘れて置いてきたり(しまった!)、五感が弱ってきます。

意識的に、”ゆっくり”とする。
そんなことが、普段の生活でも大切なのだと考えています。


夏になると、
「重なる葉の向こうに、光が見える。」
とあります。

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日差しが強くなっても、森の中は光を遮って涼しのでしょう。木漏れ日の光の綺麗な写真が続きます。

秋になると、少し日差しの弱まった森のなかで、少し寒くなってきて暖をとろうと焚き火の写真や、森の中で円になって座って語らう姿などを見せてくれます。
こんな季節だから、自分に問いかけてみてはどうかと、問いを出してくれています。
どんな問いかは、読んでみてください。

秋というと、つい紅葉となりがちですが、
写真の中には大げさな紅葉の写真はなく、緑色から薄茶色に変わりつつある葉っぱなど、冬支度に向けて森の季節が進んでいること。

そのあるがままの姿が、美しいのだと伝えてくれます。

川のせせらぎ、葉の落ちつつある木々など。

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ここの森の冬は厳しい寒さのようです。
大きな霜が降り、枝も氷に覆われる。
白い雪で土を見ることができるのは、春まで待たないといけない森。

そんな中で、問いが出されています。
「あなたが今、感謝していることは何ですか。」

私たちの想像を超えたものを、大きな森という自然から感じると、ツイそんなことを考えてしまうようです。

最後に、小屋の中で、ジンジャーティーを飲んで四季の森の旅も終了です。

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写真とやわらかい文章とで、森の季節の移り変わりを感じられる贅沢な時間
是非、味わってみてください。


※今回の記事において、「」でくくられた箇所は、書籍からの引用となります。
※掲載している写真は、むうさんが撮影したものです。

『森林セラピー、森林浴、自然体験』のおすすめの本をブックレビューでまとめてご紹介

こんにちは むうさんです^^

森林セラピーや森林浴、そして自然体験などの本のご紹介を、今までしてきました。今回は、それらのブックレビューをまとめてご紹介します。

森林セラピーガイド、自然観察指導員の経験を踏まえた詳しいブックレビューとなっていますので、楽しんでみてください。

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『あたらしい森林浴』 小野なぎさ著

有名な森林セラピストである小野なぎささんが書かれた本です。

私も講演を聴講させていただき、サイン入りで本を購入いたしました。

森林セラピーの本

森林セラピーとは、あたらしい森林浴です。

お風呂に入った時に感じる気持ちよさ、同じように森林の中を散策すると気持ちよく感じる。この気持ちよさに、医学的なエビデンスでの説明がされるようになったのが、森林セラピーです。

そうなんです。
森林浴が、"単なる気持ちがいい"から進化して、ストレスを減らしたり、睡眠、免疫力を向上する効果があることがわかってきました。そして、この効果と得るための方法とセットで、あたらしい森林浴と筆者は語っています。

経験豊富な筆者が、森林という自然へ触れるメリットを、丁寧に教えてくれる本です。

森林セラピーのことを知るには、非常に具体的な内容で、もっともおすすめできる本です。是非、チェックしてみてください。

 

▼『あたらしい森林浴』ブックレビュー

www.muu0san.com

 

『森のように生きる』山田博著

森のリトリートを主催する山田博さんが書かれた本です。
森のリトリートとは森林セラピーと似ているところも多く、より深く森林との一体感を感じることを目指しているようです。

疲れた心をリフレッシュする森の中でのリトリート。
小説や、エッセイではなく、実際に森の中でリトリートを実施されている方の、リアルなドキュメントを楽しみながら読むことができます。

森林で時間を過ごした時の感じ方が変化していく様など、普段、森林セラピーをしていて実感することがリアルに書かれています。


また、山田博さんは、リクルート出身でコーチングのプロで、森林で過ごすことでビジネスアイディアを生み出すことも兼ねているようです。

森林の中に入り、視野が広がることで、頭がクリアになり、新しいアイディアを湧いてくる。そのようなことを、森で確かに感じることがあります。

森林セラピーについてもっと知りたいという方にも、参考になると思います。是非、チェックしてにてください。

 

▼『森のように生きる』ブックレビュー

↓ブックレビューはこちら
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『森と共に、歩む日々。』

上でご紹介した
『森のように生きる(森に身をゆだねて、感じる力を取り戻す)』
の森のリトリートの実践編です。

本の中で、森の中を歩いているかのような気持ちにさせてくれる本です。

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森の四季を味わいたかったり、
心に荷物を持っていたり、
平日突っ走ってきて週末に癒やされたかったり、
頭の中に湧いてくるものを一旦クリアにしたい……、

そんな時に読んでいただきたい本です。

 読むと得られること 
仕事で疲れたとき、
アイデアに煮詰まって、新しいアイデアがほしいとき
自然を感じたいとき、
森にいるような気分で、頭がクリアになります。


森ならではの写真と短い文章に引き込まれていきます。是非、チェックしてみてください。

 

▼『森と共に、歩む日々。』ブックレビュー

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『生き物としての力を取り戻す50の自然体験』

「自然の中で感じることを大切にして、生き物としての野生の力が身体の内から出てくる糧にしよう!」
という掛け声で、自然体験のたくさんの経験者たちが、が50の自然体験を紹介してくれます。

焚き火の仕方野鳥の声の聞き方、石を縦に置いていくロックバランシングなどなど、体験する手順を写真付きで、丁寧に説明してくれているので、読めば体験できる本になっていて素晴らしいです。

森林セラピーにも応用できる内容もあり、自然体験に興味がある方には非常におすすめです。

50の自然体験は、グループでのキャンプや、合宿でのアクティビティーにもぴったりです。是非、チェックしてみてください。

 

▼『生き物としての力を取り戻す50の自然体験』ブックレビュー

www.muu0san.com
 

『シェアリングネイチャー/ネイチャーゲーム』~ジョセフ・コーネル著

ネイチャーゲームは、自然の楽しさを分かち合うというのが、考え方のベースとなっていて、参加者で自然から感じることをシェア(共有)することで、自然から多くの体験をしようということのようです。

自然の中にいるときに、自分一人では気づけず、他の人とシェアして初めて気づく感覚が実際にあるので、素晴らしいと思います。

私もネイチャーゲームの講習を受講しましたが、日本でも20年以上、各地でネイチャーゲームのイベントを開いてきただけあり、森林セラピーに応用できるアクティビティーがたくさんありました。

そんな自然を楽しむ手順を紹介している本です。
グループでのキャンプや、合宿のイベントなどで活用できるネタがたくさん載っています。是非、チェックしてみてください。

 

▼『シェアリングネイチャー/ネイチャーゲーム』ブックレビュー

www.muu0san.com

 


今後も、ブックレビューしていき、このページを更新していきますので、チェックしてみてください。

【書評】森のように生きる~読後レビュー~森林セラピーに通じる「森に身をゆだね 感じる力を取り戻す」ということ

こんにちは むうさんです^^

森林セラピーガイドの私は、森でのさまざまな活動に興味を持って、本を読んだりしています。
その中で、疲れた心をリフレッシュする森の中でのリトリートについて書かれた本をご紹介します。

『森のように生きる 山田博著』です。

小説や、エッセイではなく、実際に森の中でリトリートを実施されている方の、リアルなドキュメントを楽しみながら読むことができます。

読むと得られること
仕事で疲れたとき、
アイデアに煮詰まって、新しいアイデアがほしいとき
自然を感じたいとき、
森にいるような気分で、頭がクリアになります。

 

森のリトリート

「森のリトリートとは、あわただしい日常から自分を切り離し、森で過ごすことで、心身の深いリラックスや人生やビジネスについての、より本質的な気づきを得るための2泊3日のプログラムです。」
とあります。38ページより抜粋。

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ただ、この本に書かれているのは、森で感じる、得られることのリアルな描写です。
森というものが、人から見るとどういうもので、どんなことを感じるのかを、リアルに描きます。

多くの人が体験したことのない、森の中で過ごす時間の中での、人が感じること、人の変化、がどんなものなのか?

たとえば、同じ森に入っても、初日に気づかなかった咲いている花に、2日目は同じ道を通った時に、気づくようになる。
自然の中にはいって行くことでの変化で、人が自然の中で心身、頭ともクリアになっていく感じです。

私も忙しい仕事明けに、森林セラピーを実施した時に、早春の足元に咲くタチツボスミレなどを見逃していたら、参加者の方から花が咲いていますね。などと言われて、ハッとすることがありました。

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早朝の青い光に包まれたタチツボスミレ


ついガイドの仕方などに頭が行き過ぎて(言い訳ですが)、自然に入り込めていないと感じる瞬間がありました。
自然に入り込まないと、いいガイドができないことを知っていて、意識をしていても、少し時間がかかることがあるのです。

そんな都市モードから、自然モードへ入るのに、スローダウンして、ゆっくりすること。ゆっくりとした呼吸が効果的なことが書かれています。

もちろん私も今は、
ウォーミングアップをする時間を設けることで、そんなことはないようにしています^^

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森の中へ入って、自然モードになっていく


コロナ以降、テレワークなど働き方に変化が起こり、必ずしも通勤する必要がなくなり、地方移住をされている方が出てきているという報道もされています。
この本で紹介されているのは、現代に生きる私たちが、自然から必要なものを感じる力を取り戻し、自然や森からのサインを受け取って人生に活かすためのヒントです。

そして、自然モードになるコツとしては、ゆっくりと歩くこと。
私は森林セラピーなども、普段からも足をやさしく労ってくれるミズノウエーブのウォーキングシューズ「ミズノ LD40」を履いています。
クッション性と足首の安定性を両立したシューズで、おすすめです。チェックしてみてください。

 

筆者と森

筆者 山田博さん

筆者は、コーチングのコーチでもあり、『株式会社 森』の代表取締役でもあります。

森のリトリートをはじめた理由として筆者は、コーチングの一貫として、そこはかとない不安を抱えた一人の参加者を森に連れて行った時の経験を書いています。

筆者自身は特別なことをしていないのに、参加者の方が、「なんか安心した。これで大丈夫な気がする」と言われ、その後も同じような経験をしたことから、森で過ごすことに、人を安心させる、深いリラックスを与える効果が何かあるようだと、実感したようです。

私も、森で時間を過ごすと自然モードになり、普段の生活でモヤモヤしていたことが、スッキリとする経験をしているので、自然や森で過ごすのはいいと思います。それが、森林セラピーへの私のモチベーションになっています。

森の中での恐怖

森の中での恐怖についても書かれています。
森の中で迷子になり、恐怖を感じた話が出てきます。声も出せないほどの恐怖。
ただ、その後に来るのが、森という生態系の中での安心感のようなものが感じられるようです。そして、この安心感が何者かが、本書のテーマのひとつになっています。

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暗い森に差す光


森の中で孤独と少しの恐怖を感じるというのは、山登りの中、何度かそのようなことを、私も体験したことがあります。
まだ、山登りを始めたばかりの頃、一人で奥多摩の山へ行きました。奥多摩にはハイキングのような誰でも行けるところから、奥深いところもあります

当時、私はスマホを持っておらずGPSも使っていませんでした。登山を始めたばかりの私は、ネットからダウンロードしたヤマレコの粗い地図を頼りに、歩き始めました。その山がメジャーなのか、あまり人が来ない山なのかも知らずに、山は木々に覆われ、登山道もはっきりせず、すれ違った人は、一組だけでした。

そのうち、予定よりもかなり時間がかかることがわかり、不安を感じはじめました。戻るか悩みましたが、予定通り進む方が早く下山できそうだと判断して進みました。少しすると蕎麦粒山のピークに着くのも安心材料でした。ピークには人もいるだろうと

ところが、そこは3メートル四方の狭いピークで、周りの木々で展望もなく、誰もいませんでしたそこで、ここはマイナーな山なのだとはっきりと悟りました。遅くなってしまったが、戻れるかという焦りと不安がカ-っと湧き上がってきました。

その後、なんとか下山できたのですが、この本に書かれたような、森林の生態系に包まれた安心感というのは感じられていません。あの先があるのだなぁと思いました。

ただ、それは、森の中にずっといる人だけが味わえる感覚。
なので、森のリトリートでは2泊3日の時間がかかるのだと感じました。

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森の中には希望が詰まっている


この本を読んで想像しながら言葉にすると、人という生物として、自然としての森の一員となったような感覚なのでしょうか。
森林が人に与えてくれるものが、それだけ大きいのだと思います。

誤解を与えたかもしれませんが、この本は、サバイバルを書いたものではないです^^

森へ行き、時を過ごすことによって、心身の深いリラックスが得られることを教えてくれています。視点は森林セラピーと同様の部分もありながら、この筆者たちが考えた森のリトリートなのだと思います。

森林セラピーと共通なところ

森林セラピーと同様な部分として、五感で感じることを大切にしています。

ゆっくりと呼吸をすると聴覚が呼び覚まされる。目を緩ませてぼんやり眺める。裸足になって、足の裏の感覚を意識する。土の香りを嗅ぐ。

おそらく、森林にいた時の、我々の祖先がやっていた事を試すと、五感が呼び覚まされるということだと思います。

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森の中で五感をよびさます


感覚が呼び覚まされた後に森の中を歩くと、広い森の中で、とても居心地のいい場所を見つけることができ、森に身をゆだねられるようです。
また、参加者を連れて行った時に、焚き火を前に話していると、炎が人の心を緩ませて、全員がただ炎を、見つめる瞬間が来るとあります。
パチパチと焚き火の音が、包み込む瞬間。

私は、これらを体験したくなりました。

後半は、筆者と、参加された4名の方との対談集となっています。
参加者の生の声が聞けるので、森林セラピーガイドとしても参考になりました。

その中で、『「ポジティブにならなければ」ではなくて、「安全な場所に身をゆだねていたら、自然と気持ちが前向きになっていた」』と書かれていました。※抜粋。
森の中で安全を感じた時に自然と前向きになることで、の前の課題や問題へのアイデアが、生まれてくるのだと感じました。

まとめ

森に入っていくと、ある瞬間に、いきなり鳥の飛ぶ姿と、様々な鳴き声、木々の葉っぱの擦れる音、キラキラした木漏れ日を感じ、急に心が元気になります
さっきまでの都市モードから、自然モードへ入っていくその瞬間に、たくさんの生命を感じることで、疲れた気持ちが元気になる

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森の中に差し込む朝日


そんな、森が生きていて、多くのの命がここで、生きている、いとなみがあることを感じる瞬間が好きで森林セラピーガイドをしています。

そんな私も、この本で森に入っていくような感覚を味わいました。
森にいるような気分で、心をリフレッシュして、頭をクリアにしたい方におすすめです。
気になった方は、是非チェックしてみてください。


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【書評】森林セラピーとは?『あたらしい森林浴』読後レビュー~森林セラピー、森林浴の効果と方法を教えてくれる本~

こんにちは むうさんです^^

筆者の小野なぎささんに、サインしていただいた本を読んでの、ご紹介です。

あたらしい森林浴 サイン入りの表紙

あたらしい森林浴とは?

森林浴が、"単なる気持ちがいい"から進化してストレスを減らしたり、睡眠、免疫力を向上する効果があることがわかってきました。そして、この効果と得るための方法とセットで、あたらしい森林浴と筆者は語っています。

木々の生い茂る森林の様子

そのあたらしい森林浴が、ビジネス化という軸と、森林浴の実際を多くの経験から伝える、という2つの軸から書かれています。

経験豊富な筆者が、森林という自然へ触れるメリットを、丁寧に教えてくれる本です。

ぜひ、レビューにおつき合いください。

筆者は森林セラピーのガイド

筆者は、森林セラピーのガイドとしてトップクラスで、業界で名前を知らない人はいない方です。この本でも、12年間で2000人の方々を案内してきたとあり、ガイドとして経験豊富な方です。

ちなみに、
私が本にサインを書いていただいたのは、森林浴とAIのマッチングについての講演会の時です。その時も話しかけていただき、その話し方からも優しさが伝わってくる方でした。

森林浴をする森

筆者が、こんな人に読んでほしいとして、普段自然から離れている人をあげています。

森林セラピーのガイドとして、私も同様に思います。
現代は、自然に触れる時間が短すぎることで、ストレスへが溜まりやすくなっている人が多いのではないかと、私も感じています。

あらすじ:森林セラピーと森林浴の現在地

現在の森林のおかれた状況や課題から、森林浴の健康やメンタルヘルスへの効果、森林浴では何をすればいのか、企業研修への活用状況まで、森林浴の現在地を丁寧にまとめられていて、森林浴の全体像が鮮明に伝わってきます。

紫色の花背景の緑の葉っぱ

森林セラピーを教えてくれる

森林浴という本の題名から、ふわっとした内容を想像されるかもしれませんが、この本はその予想をいい意味で裏切ってくれます。

森林浴や森林セラピーの効果については図で数値化してくれていて、非常に具体的でわかりやすく、その出典も記載されています。また、森林浴では具体的に何をすればいいのか、ガイドと一緒に森林セラピーに参加すると、どんなアクティビティーが体験できるのか、詳しく書かれています。

ストレスを感じていたり疲れていて、自然や森林浴に興味がある方が読むと、どんなことをして、どのような効果が得られるかはっきりと分かる内容になっています。

森林のシンボルツリー

森林セラピー、森林浴をビジネスへ

この本は、森林浴がビジネスとして成功したから出したのではないようです。読むとわかりますが、これから森林浴をビジネスとしてやっていきます、という決意を書いた内容です。

筆者の考えるビジネスの状況からは、現状は1割にも達していない中での、この本の出版だと思われます。
ですが、ビジネスの内容は、現状どこまで進んでいて、これからどこへ進もうとしているのか、実際に実施している具体例が書かれています。

森林での葉の色づき

実際に、筆者のガイド経験でも、職場とは異なる環境に身を置くことで、心身がリラックスして病気を予防するようだという実感があったとのことです。

森林浴のガイドとして、このように企業人と接する機会があり、ビジネスとしての方向が定まっていったように読み取れます。この本の中には、具体的な実例として内容と効果とが提示されていますので、これより先は、本をお読みいただけると、この分野のビジネスの可能性を感じさせてくれます。

森林浴、森林セラピーの健康面での効果(2つめの軸)

どんな効果があるのか?

森林浴の効果について、身体面と心理面の両面から書かれています。
ストレスホルモンが減少しストレスが軽減される、免疫力の向上自律神経を整える血圧、脈拍が下がるなど、医学的なデータを含めて書かれているので、説得力があります。また、心理面では、活気が上がり、緊張、不安が少なくなるようです。

都市部の緑地、たとえば新宿御苑のような場所でも効果があり、その持続力は1ヶ月間あります。ですから、一月に一度、近くでもいいので緑の多い場所へ森林浴に行くことで、効果を享受し続けられます。

日比谷公園(東京都)の木々

日比谷公園(東京都)

お読みになって、ご自身で森林浴に行くのも良いですし、また、より効果を得られる森林セラピーのイベントに参加することもできます。
森林セラピーでは、どんなことをして、それがどのような効果があるかが、この本を読むことで、伝わってきます。

自律神経を整える

動いている時や緊張している時にアクセルとして働く交感神経と、リラックスした時に優位になる副交感神経。どちらも重要な役割を持ちますが、大切なのは、その活動のバランスです。

過度に交感神経が働いていると、ストレスフルな状態です。そんな時に、リラックスして副交感神経の働きがよくなれば、血管も拡張し、血流も良くなるなど、単に気分が良くなるだけではなく、身体的な効果も出ることをこの本は教えてくれています。

森林の木に映る影

睡眠改善効果

睡眠改善効果としては、睡眠時間が長くなり、質の向上、深さも深くなるようてす。わかりやすく、具体的な数値データを示しながら説明してくれています。

森林の中で休息

森林浴、森林セラピーで何をするのか?

考えるではなく、感じる

森林セラピーで大切なことは、参加された方に頭を使うのではなく、感じること優先してもらうこと

森のやわらない土の感触や、触ると痛みを感じる栗のイガグリ、森や葉っぱの香り、その他、森での五感の使い方を具体例をもって教えてくれています。

私もこの本を参考にして、私の森林セラピーに取り入れています。

秋の紅葉の森林浴

秋の紅葉の森を歩く

森林浴、森林セラピーの実例

この本では、さまざまな企業研修の中で実施したプログラムを、詳しく教えてくれます。なぜそのプログラムなのか、どう具体的に実施するのか、参加された方の感想など。その場にいるような臨場感で伝えてくれます。

森へ行くと、こんな気持になれるんだということが、はっきりと見てとれます。
仕事のストレスや、人間関係の疲れを感じている方であれば、この本を読むことで森林浴に行きたくなるでしょうし、自然に触れることの効果を感じ取れると思います。

早朝のあたらしい森林浴

特に、森の中で、参加者のかたが様々な気づきを得るワーク、円になったり、気になる物を集めたり、気になるけど持ち帰れないものの写真を撮ったり。森の中へ行くことで、多くのことを参加者が気づき、得るプロセスが描かれています。

ストレスが解消され、気づきも得られることが、読んでるだけで実感でき、森林の中へ飛び込みたくなるような気分にさせられます。

仕事で一皮剥けたいであったり、あたらしいアイディアがほしい頭をクリアにしたいなどの要望に、森林浴でのワークが応えてくれることが伝わってきます。

森林浴での木々との出会い

感じることに上手下手はない

絵で感じたことを共有するワークの時のことを筆者はこう書いています。
178ページから引用
自分が感じたことに上手下手はありません。正解はないので』

そうなんです。
感じることはその人の素の部分で、生命としてのセンサーです。
感じることは、頭で考えた過去や未来ではなく、その瞬間を生きていることが実感できる時間となります。こういう言葉から筆者の森林浴の経験の深さと、優しさを、私は感じます。

まとめ

森林浴のガイドとしてさまざまな経験してきた筆者が、森林という自然の中で時間を過ごすことが、人にとっていかに大切なのか』を教えてくれる本です。
また、人へのやさしさが詰まった本でもあります。

気になったらチェックしてみてください。

森林セラピー、森林浴についてブックレビューをまとめてご紹介しています。是非、ご覧ください。
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【おとなの森林浴】 森林セラピーとは?

こんにちは むうさんです^^

私は、プロフィールにあるように、会社員の傍ら、森林セラピーのガイドをしています。

今日は、森林セラピーについてご紹介します。

おそらく森林浴という言葉は聞いたことが合っても、森林セラピーは初めて聞く方が多いと思います。

森林セラピーを簡単に説明すると、
考えるより、感じることを優先することで、リラックスしましょう!
という自然の中での癒しです。

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日常生活では、頭や目を使う場面が多いと思います。
森林セラピーは自然に囲まれ、普段十分に使っていない五感を森林の中で使うことで、リラックスして、ストレスを解消するものです。

森林浴から森林セラピーへ

森林浴という言葉をご存知でしょうか?

森林浴とは、1982年に当時林野庁の長官であった秋山長官による造語です。
1982年というかなり以前から、森林を散策すると気持ちが良い。ということが感覚的に知られていました。

お風呂に入った後、気持ちがいいのと同じように、森林を歩いた後も気持ちが良い。なら、森林浴と浴をつけよう、ということでしょうか。

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温泉と同じように気持ちがいいから森林浴

森林セラピーは、森林浴から一歩進んだものです。

最近になって、なぜ気持ちがいいのか?
人にとってどのような効果があるのか、などが医学的に実証されてきたことを取り入れたのが、森林セラピーとなります。

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森林の中の澄みわたった空気

森林セラピーによる森林浴効果には、森林等の植物由来の刺激が生理的リラックス状態をもたらすことにより、免疫機能が向上し病気になりにくい体になるような効果があります。

なぜ、森林なのか?

人を快適にする力が森林にはあるためなのですが、つぎの3つが森林セラピーにとっては大切な要素となっています。

大気をきれいにする力

これは、森林にある植物が、ガス状の汚染物質を吸収し、有害物質を含むちりやほこりを吸着するからです。

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森は空気を浄化する

植物の光合成の際に、ガス状の汚染物質は葉の中に取り込まれます。

さらに森林では風が適度に弱まるため、ほこりが落下しやすくなります。微細な粒子は落ちませんが、植物の枝葉は汚染物質を含んだちりや霧を吸着させます。
このように、森林は汚染物質の浄化装置なんです^^

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紅葉の森を感じながら散策する

森林の香り、フィトンチッド

植物が外敵から身を守るために発散している揮発性物質ですが、人間にはリラックス効果をもたらすことが知られています。フィトンチッドは主に葉から放出されるため、この濃度は森林の奥に入るほど高くなります。

馴染みがあるものとしては、檜風呂の香りです。檜風呂の香りを嗅いでいると落ち着きますよね^^

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ホオノキの花のような樹木の花の香りに出会うことも

静かな環境

森林に入ると、周囲の騒音が気にならなくなります。

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森林の静寂

これは人工的な音から離れただけではなく、樹木が騒音を吸収してくれるからです。さらに、枝葉がこすれあう音や水のせせらぎ、小鳥のさえずりや虫の音などの快適な音が、不快な音を隠すようなの働きを果たしてくれています。

まとめると、
森の中がすがすがしいと私たちが感じるのは、空気の浄化作用優しい香り、自然のやわらかい音などの複合的な要因によるものなのです。これら3つの快適要素を森林が果たす役割はとても大きいことになります。

フィトンチッドとは?

フィトンチッドを調べてみると、
もともと、植物から離れた場所に置いた微生物が死滅する現象から、植物からの揮発成分によってそのような現象が起こったとされ、発見されたもののようです。

植物にとって昆虫や病原菌は大敵ですから、動けない植物は昆虫や病原菌などを寄せ付けないように、殺菌成分を揮発させています

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赤マツの幹からもフィトンチッドが放出されています

上で書いたように、馴染みがあるものとしては、檜風呂の香りです。
これが、人間にはリラックス効果をもたらしているんです。

フィトンチッドは、樹木の生命活動と関連しているため、
樹木の密度の大きい所の方が、フィトンチッドの濃度も高い傾向のようです。
・風の弱い日の方が多いようです。
これは、風が強いと揮発性物質が拡散されてしまうからなのでしょう。
放出量が多いのは気温の高くなる6~8月といった夏季で、冬季の方が少ないようです。

森林セラピーでは、フィトンチッドを深呼吸などで感じながら、リラックス状態を促進していきます。

森林セラピーの森林浴効果とは何なの?

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森林の中の紅葉のトンネル

森林浴の気持ちよさが、いったいどんな効果をもたらすのでしょうか?

・自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整えます。
ストレスや緊張により急激にアクティブになる交感神経と、ブレーキ役の副交感神経とのバランスが大切なんですね。

・ストレスホルモンのアドレナリンやコルチゾールなどを減少させて、リラックス効果をもたらします。

・がん細胞を自然に殺す細胞であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数を増加させて、NK活性を上昇させることにより、抗がん能力を高めます。このように、免疫機能を高める効果もあります。

自然に包まれて森の中に入ると、リラックスします。リラックすることによりストレスが軽減され、免疫力を高めるんです。

さらには、森林散策などによる、運動すること自体が、健康を増進させる効果もあります。
自然の中をゆったりと散策することは、人として元々持っている元気を取り戻す感じでしょうか。

森林セラピーではどんな体験ができるの?

普段、わたくしたちは、頭を使って考えて生活しています。
ですが、森林セラピーの時間は、頭よりもご自身の持っている感覚からの情報を大切にします。ようするに、五感を使って自然を感じる考えるよりも感じることを大切にする時間なんです。

ぼんやりと、葉のこすれる音、水の流れる音、野鳥の声を聞く
ぼんやりと、葉が揺れているのを見る
ぼんやりと、森の中の香りをかぐ
ぼんやりと、木々や、葉っぱ、苔などの自然のものを触る

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滝の音を聞く

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苔の胞子体をなでてみる

ぼんやりという頭を使わないことで、五感の感覚が敏感になっていきます

ぼんやりしてもったいなかった、と思うのではなく、心と身体を整えるためにも、ぼんやりする贅沢な時間を持ちながら、五感をつかっていただくために、私たちは、ガイドをしていています。

もちろん、ずっとぼんやりしているわけではなく、散策をしながら、アクティブなことも混じえながら行っています。

アクティビティは、いろいろとあるのですが、一番のメインは、自然の中で横になることです。

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森の中で横になるる心地よさ

フィトンチッドは、空気より重いために下の方に溜まっています。ですから、横になることで、フィトンチッドを感じられますし、自然に包まれている感じになります。

もっと色々と知りたい!という方へ、森林セラピーのガイドとしてトップクラスの方が書かれた、森林セラピーを紹介しているわかりやすい本をご紹介しています。

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いかがでしたでしょうか?

森林セラピーを言葉で説明するのは難しいです。
頭を使うのではなく、五感で感じるのを大切にしましょう!ですから。

五感といば味覚の楽しみもあります。
工夫された美味しいセラピー弁当が用意されていたりしますよ。

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味覚でセラピー弁当を味わう

機会があれば、一度体験してみてください。
このブログでも、森林セラピー体験会のイベントの案内をしようと考えています。

よろしくです^^

また、このようにまったりとしていると、香りの良いお茶を飲みたくなります。そんなときに、心地よい香りクロモジ茶のおすすめを、下の記事でご紹介していますので、ご覧いただけると嬉しいです^^

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【おすすめのブログ記事】

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【参考文献】
・森林セラピー検定 ヘルスケア編 第Ⅱ版 森林セラピーソサエティ編
なお、森林セラピーは商標登録されています。